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今朝もあの子の夢を見た

今朝もあの子の夢を見た

今朝もあの子の夢を見た

作家
野原広子
出版社
集英社
発売日
2022-11-25
ISBN
9784087880823
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「今朝もあの子の夢を見た」のおすすめレビュー

『妻が口をきいてくれません』野原広子最新作! 昼逃げ、誘拐、洗脳…父親なのに父親ではいられない42歳バツイチ男性の残酷で奇妙な日常とは

『今朝もあの子の夢を見た』(野原広子/集英社)

『妻が口をきいてくれません』『離婚してもいいですか? 翔子の場合』などの著者・野原広子さんによる最新作『今朝もあの子の夢を見た』(集英社)は、想像もつかない展開にゴクリと息を呑み、妻や夫、子を持つ親にとっては特に、悪夢のような日常を擬似体験することになる1冊である。

 スーパーで青果係をしながら一人暮らしをする山本タカシは、42歳のバツイチ。今や、バツイチなんてめずらしくないことかもしれない。ただ、タカシが不幸なのは、“父親なのに父親でいられない”ことだ。

 かつてタカシには1人の娘がいた。ところが娘が7歳のとき、妻が娘を連れてどこかへ消えてしまった。もう10年も娘に会えていない。親にとって、愛おしいわが子に会えなくなることほどつらいことはない。

 なぜ家族は離れ離れになってしまったのだろうか。優しくていい人に見えるタカシは、本当は悪い人なのだろうか。DVがあったのだろうか。それとも…。

「今日も仕事頑張るか。なんのために? いやいやお金のため。自分のため」と、父親でいられない男は今日も嘆いている。朝は目…

2022/11/25

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「あれは誘拐だよ」妻が突然子どもを連れて消えた――『今朝もあの子の夢を見た』作者・野原広子さんが語る、子どもに会えない父親の深すぎる悲しみ

『今朝もあの子の夢を見た』(野原広子/集英社)

『消えたママ友』『妻が口をきいてくれません』などの著者・野原広子さんが新たに刊行した最新作は、“父と娘”をテーマにした切ない物語『今朝もあの子の夢を見た』(集英社)。描かれるのは、娘が7歳の時、妻が娘を連れて出て行ってしまい、娘に会えないまま10年以上過ぎてしまったというバツイチの42歳、タカシの物語だ。

 昼逃げ、誘拐、洗脳…と穏やかではない言葉とともに登場するのは、できれば知らないでおきたい悲しい世界。でも、きっとそれは自分たちの生活の延長線に確実にある日常。怖いもの見たさと手に汗握る緊張感の中、読めば読むほど緻密に描かれた展開に引き込まれ、ページをめくる手が止まらない一作となっている。

 読み終えて、この作品に込められた作者の想いを確かめたくなった読者も少なくないのではないだろうか。ここでは、作者・野原広子さんのインタビューをご紹介する。本作の奥深さに改めて興味をそそられ、また繰り返し読みたくなるようなインタビューを、ぜひご一読ください。

(取材・文=吉田あき)

朝方に子どもの夢を見て涙が出る

——ウェ…

2022/11/30

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「さくらちゃんお父さんのこと大好きだと思う」山本の娘への想いを聞いて、鈴木は彼の背中を押すことに/今朝もあの子の夢を見た⑤

野原広子著のコミック『今朝もあの子の夢を見た』から厳選して全5回連載でお届けします。今回は第5回です。ある日突然、妻と娘に家出された主人公・山本。その後10年、娘に一度も会えないまま、山本は無気力に暮らします。そんな山本と出会った職場の同僚・鈴木は彼を不憫に思い、娘に会いに行くよう背中を押すが――。大反響のウェブ連載を経て書籍化された『今朝もあの子の夢を見た』。離婚後の家族に切り込む一冊で、夫婦・家族という関係を続けていく難しさを考えさせられます。山本の娘への気持ちを聞いた鈴木。「私がさくらちゃんだったらお父さんに会いたいと思う」と山本に娘に会いに行くよう説得する。

<続きは本書でお楽しみください>

2022/11/29

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今朝もあの子の夢を見た / 感想・レビュー

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読特

離婚調停中のカップル。ある日突然、妻が娘を連れて家を出ていった。行方が知れない。夫と子供の定期面会の約束も果たされない。あの子が夢に現れる。娘のことが忘れられない。夫主体に物語が展開する。この男はいいのか、悪いのか。破綻の事情は明かされない。男と女が別れる理由は様々。どちらかの一方的な非である場合も、お互い様の時もある。本当のところは傍からだけではわからぬものだ。どのような経緯にせよ子供に対する責任は夫も妻もそれぞれ持つ。単独親権か共同親権かの議論は、子供視点で考えねばならぬ。破綻させない、それが何より。

2023/08/28

しんすけ

最後は、十九歳くらいになったと思われる娘が、十年前まで父母と住んでいた場所に訪れる場面で終わる。 父親タカシの目線から始まった話だが、主人公は娘さくらだったのだろう。 親が離婚したら、一番に傷つくのは子供なのだと、この作品は語っているように思われた。 解らないのは、父親に娘を会せようしない母親の気持だった。思い出したくないことがあるのだろうが、父親に会いたがってるさくらの気持が分からないのか。 再読すれば、何かが解かるかもしれないが、また泣かされるだろう。 そう思い、しばらく遠くに置いておくことにした。

2022/12/04

しおり

離婚して離れて暮らす娘が恋しくて淋しくて辛い男性。前半は彼のその気持ちしか描かれていないから同情しかなかったけれど、娘 さくらちゃんの気持ちが表れた後半は、みんな気の毒で。そんなに悪くない人達が、何かの訳で我慢出来ずに離婚して、その後の淋しさ辛さと戦うなんて。中途半端な終わり方は、読み手それぞれに想像して、ってこと?。私はさくらちゃんと父親、そして母親も心の幸せを取り戻せた、っていう終わり方にしたい。

2023/04/06

はっち

野原さんには珍しく男性目線から 離婚後娘に会わせてもらえないお父さん・・・離婚の理由は父母両方からの言い分を聞かないとわからない 今回は具体的な離婚理由は語られてないけど悪気のないモラハラだったのかな?喧嘩する両親を見るのもかわいそうだけど一番割を食う子供はやはりかわいそう 昼逃げって言葉、初めて聞きました 相変わらずシンプルな線画なのに迫力があります

2023/03/14

ゼラニウム/フウロソウ科

娘側の立場です。洗脳のまま会えずに父は他界しました。死後、洗脳が溶けました。会いに行かなかったことを後悔しています。

2023/07/02

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