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オレの東大物語 1966~1972

オレの東大物語 1966~1972

オレの東大物語 1966~1972

作家
加藤典洋
出版社
集英社
発売日
2020-09-04
ISBN
9784087890143
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オレの東大物語 1966~1972 / 感想・レビュー

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KAZOO

ある意味加藤さんの大学時代を中心とした自伝なのでしょう。加藤さんの本は「敗戦後論」しか読んだことがなくあとは雑誌などでの小文を見かけるだけでした。私とほとんど同年代なので当時の状況が読んでいるとよみがえります。私はノンポリで心情三派的な考え方で行動していました。加藤さんもそんなに積極的に闘争に参加したわkwではないような気もしますが、ご自分の青春の一時期を記念碑的な感じで口述筆記されたのでしょう。

2020/12/10

ころこ

著者と編集の緊張関係が装丁も含めて良い本をつくる。帯の貧弱さ、不要な解説、一見して本のつくりが甘いことに気付きます。何かを残したいということに影響されているのか分かりませんが、晩年の著者に気になるのは否定と肯定のバランスが崩れていることです。「ぼく」だった一人称がタイトルにある通り「オレ」となっているのには驚きました。終始「オレ」です。全共闘の同時代的経験が『アメリカの影』に繋がるのは当然と言えば当然ですが、ここには表出されない屈折があったのではないですか、と指摘したくなります。

2020/09/09

まこみや

60年代末の東大闘争は、加藤典洋さんの心の奥深く刺さった蹉跌だった。「二十にして心已に朽」ち、自己否定という逆説の中で身動きならず、零落の一途をたどる。とどめは「オレの気分の最後の帰結をオレに代わって体現した」連合赤軍事件であった。しかしその経験が、後に「転向論」の力学を生み、加藤典洋は僕たちの知る「加藤典洋」となっていく。人を生きることへ急き立てる生権力に対して抵抗しようとするあの「加藤典洋」である。今となっては、そんな彼の文章をもはや新たに読むことが叶わぬことが無性に悲しい。“夏草や兵どもが夢の跡”

2020/09/28

古本虫がさまよう

生まれた山形時代の東大入学前から始まる。母親はナイスな母親でしかられたこともなかったそうな。父親は叩き上げの警察官。二人の息子を東京の大学に通わせたし、下の子(著者)が東大現役合格したから嬉しかったとのこと(法学部に行くべしといわれたものの文学部に入った)。入学式には母親が同行。記念写真を撮ろうかと言われて断ったことなどを、若干後悔したり‥。ざっくばらんというか、ちょっと、べらんめえ口調な文体で書いているのが目立つかなと。

2020/10/17

chiro

個人的には最も親しみをもって読んでいた文芸評論家である加藤典弘氏が結果として自身の本源的なものを得ることとなった東大での6年間を綴った著作。氏の著作を読んでいたものとしてはその文体に驚くこと以上に氏が歩んできた道のりに驚いた。ここに記されている時代背景は何となくわかるのでその時代の中で氏が歩んできた道のりも友人関係についても氏が語るほどに特異なものとは思えないが、それがある意味特殊なものと感じさせてしまうのが東大なのかもしれないと感じた。

2020/10/05

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