さようならアルルカン/白い少女たち 氷室冴子初期作品集
さようならアルルカン/白い少女たち 氷室冴子初期作品集 / 感想・レビュー
ぐうぐう
初期の「コバルト」を牽引した氷室冴子のデビューは、その前史である「小説ジュニア」においてだ。『クララ白書』でブレイクするまでの助走期間かもしれないが、本人曰く「文学少女くずれ」だった彼女にとって、「小説ジュニア」時代は当時にも、そして振り返ればなおのこと貴重な時期だったように思う。早熟な少女達の凛とした佇まいが印象的なデビュー作「さようならアルルカン」は、文学を(良い意味で)引きずりながらも、それでいて「コバルト」前夜の胎動を感じさせもする、実に絶妙な小説だ。(つづく)
2020/12/30
すばる
いつか掲載誌を探して読むしか無いと思っていた初期作品が読めて実に嬉しい。しかし、これで氷室冴子の世に出た小説はもう全部読んでしまったという寂しさもある、複雑な気持ち。私に少女の頑なさと高潔さを教えてくれた、世界で一番大切で大好きな作家さんです。これからもどんどん復刊されますように。
2021/01/06
huchang
懐かしい本だったなぁ。氷室さんの書くものには本当に影響を受けたし、今でも時折手に取って読む。亡くなってから年月が経っているけど、こうして書籍化されてなかった作品が読めるのが、心から嬉しい。あの時は「メガキ」で小遣いがなかったから、作品を一つ一つ追うことがとてもじゃないができなかった。氷室さんの作品を読むと、そういうことまで懐かしくよみがえってくるから、不思議だ。他の人の作品では、こうはいかないんだもの。
2020/12/18
ekoeko
「さようならアルルカン」「あなたへの挽歌」「おしゃべり」「悲しみ・つづれ織り」「私と彼女」「白い少女たち」6編。初めて買ったコバルト文庫は「さようならアルルカン」だったと思う。「あなたへの挽歌」で好きな人から渡された本を部屋でよそゆきのワンピースに着替え手を洗い読むという行為に10代の少女の痛々しいまでの感性をそっと思い出した。
2021/01/09
mahiro
★★★⭐︎⭐︎
2021/01/17
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