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さよなら絵梨 (ジャンプコミックス)

さよなら絵梨 (ジャンプコミックス)

さよなら絵梨 (ジャンプコミックス)

作家
藤本タツキ
出版社
集英社
発売日
2022-07-04
ISBN
9784088831671
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さよなら絵梨 (ジャンプコミックス) / 感想・レビュー

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ムッネニーク

59冊目『さよなら絵梨』(藤本タツキ 著、2022年7月、集英社) 鬼才・藤本タツキの長編読み切り。 「映画制作」というモチーフを扱うことで、作中世界における現実と虚構の境目を曖昧にぼやかす。 読者に安定感を与えず、絶えずゆらゆらとした浮遊感、ないしは不安感を与えるような構造になっており、読後感は唯一無二。 主人公の自主制作映画は、不謹慎だと観客から罵倒される。これには著者の前作『ルックバック』に寄せられた的外れな批判を思い出さずにはいられない。 「ファンタジーがひとつまみ足りないんじゃない?」

2022/08/10

眠る山猫屋

言葉にならない。個人的に刺さり抜けない矢のようだ。“物語”の在り方を揺さぶられ、改められる。それくらい響いている、今も。優太は余命幾ばくも無い母に頼まれ、その残された日々をスマホで記録した。学園祭で上映するも散々な扱いを受けるが、唯一認めてくれた絵梨とリスタートする・・・そんな話で終わる訳もない藤本タツキ作品。そこまでだって美しい良い話だし、縦四コマのシーンや、あえてブレを多用し視覚的な映像効果を狙っているのもおもしろい。物語は二転三転、どこまでを虚構と捉えるかで深度が変わる狡猾さを含みながら(続く)

2022/07/19

keroppi

スマホで見る漫画で、スマホで撮る映画が描かれる。スマホで見た映像がコマ割りとなる。人の実態は、スマホを通してしか感じられないのか。人の死すら、スマホを通して見つめている。心の動揺は、揺れたスマホの画面に現れる。虚像と実像が入り混じり、映像の編集を繰り返す事で、その記憶の深層に迫ろうとする。まさに、今の時代の青春であり、今の時代の漫画なんだなと思う。

2023/01/21

さくりや

やばい。今まで読んだ漫画で1番好きかもしれない。主人公の思春期特有の自意識や承認欲求、母を亡くした喪失感と少しだけの安堵が刺さった。等間隔なコマ割り、台詞のないカット、ストーリー構成、全てがお洒落。ラストシーンの反復はスカッとした。"映画を作る"行為は、欲求の発散であり現実を"切り取る"行為だったんだろうな。ファンタジー をひとつまみ、という言い回しが好き

2023/06/12

空のかなた

藤本タツキ作品初読み。予定調和で終わる?と思わせておいて、ニンマリと笑みを浮かべながら突き放されたようなひんやり感。物語が興味深いというより、この作品の世界観をどう捉えるのかと、禅問答のように突きつけられた感じ。天才、鬼才か。作品の中で残る台詞が「創作って受け手が抱えている問題に踏み込んで笑わせたり、泣かせたりするモン、作り手も傷つかないとフェアじゃないよね」、これは主人公優太のさえない父親の呟き。絵梨の存在の危うさと種明かし、それに対する優太の決断?妄想?で一気にエンディングへ。流石ですね。

2023/02/09

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