エロスの種子 1 (ヤングジャンプコミックス)
ジャンル
「エロスの種子 1 (ヤングジャンプコミックス)」の関連記事
大学教授の妻でありながら夫には抱かれない女…“エロス”によって人生を翻弄される人々の行く末は――
『エロスの種子』(集英社)
人はときに“快楽”により過ちをおかす。いけないとわかっていながら、抗えない。それは一夜の浮気程度のものかもしれないし、その後の一生を大きく狂わされてしまうものかもしれない。「いや、私は大丈夫だ」と思っていたとしても、果たしてこの作品の登場人物たちの立場で同じことを言えるのだろうか、というと怪しい。
もんでんあきこの描く『エロスの種子』(集英社)は欲情によって人の運命が翻弄されていく様を鮮やかに描いた短編集だ。
現在2巻まで出ており、登場人物の関連性が示唆される場面はあれど、すべてテーマも時代も違うストーリーとして独立している。「エロス」といっても切り口によりその表れ方は様々であるが、どのストーリーも欲情により芽生えた恋慕や憎しみ、孤独など、様々な感情が登場人物たちを翻弄していく様子を見事に描ききっている。
1巻の第1話「因果」では、大学教授の屋敷に住まわせてもらうことになった苦学生が、ひょんなことから彼の嫁と肉体関係をもつことから始まる。自分を救ってくれた恩師を裏切るような行為。こんなことはいけない、とわかっているの…
2018/7/8
全文を読む関連記事をもっと見る
エロスの種子 1 (ヤングジャンプコミックス) / 感想・レビュー
mitei
いろんな短編で男女の関係を描いた1冊。絵柄も好みで良かった。
2018/03/18
かっぱ
「因果」「人形」「ジゴロ」「マリーゴールド」の4話収録。「エロス」は「愛」と変換してもいいのかも知れないけど、ここでは男女の性交が多く描かれる。時代背景は昭和の戦中、戦後がほとんどで、どこか物悲しい。生きるために必死な時代。現代のように金だけが目的というような女は登場しない。「マリーゴールド」はストリッパーと劇場支配人の話。踊り子が客と一緒になって舞台を作り上げていた時代。踊り子、客、支配人の絆の深さを感じる。
2021/08/28
長野秀一郎
本作はありがちな男性向けエロマンガではない。性行為の場面は描かれているが、そこに至るまで・至らないまでの過程こそがエロスであるという主張だと私は読んだ。エロスとは行為ではないのだ。そうした意味では文学作品に近い。作画は非常に達者で、特に男性キャラの色気は特筆に値する。女性キャラも柔らかい身体を強調する一方で眉毛を濃くすることで強い意志を有した生身の人間として描かれている。女性にも薦められる佳作。戦前~戦後が舞台なのでそれらが好きな方にも。続刊を期待して評価5としたい。
2018/03/04
すみの
もんでん先生、エロティックです!女性画はもちろん艶っぽいですが、なんといっても男性画がいつもステキ。『ジゴロ』『マリーゴールド』登場のおじさん(お兄さん)はいいなあ。快楽行為ではあるけれど、最後には愛を感じられるお話。『因果』ゾワッとします。『人形』生きていくためとはいえ、虚しいです
2017/06/27
hideko
読み友さんには古いのから読みなよ〜と言っておきながら、自らも新しく購入した本を読む。許して下され。 以前から気にはなっていた作家さん。 短編集。4話。時代も大正か昭和初期、戦中、戦後、現代とバラエティに富んでいる。 それぞれのストーリーについているタイトルが秀逸である。 1番好きだったのは『ジゴロ』簡単に言うと母親の男を取っちゃう話だが、このヒロイン大変賢い女性です。 いずれのヒロインも女を武器にしているんだけど、嫌らしさがない。 この女性達に愛された男性は幸せだろうな。 良作です。
2017/08/06
感想・レビューをもっと見る