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阿房列車 1号 (IKKI COMIX)

阿房列車 1号 (IKKI COMIX)

阿房列車 1号 (IKKI COMIX)

作家
内田百けん
一條裕子
出版社
小学館
発売日
2009-02-24
ISBN
9784091790361
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阿房列車 1号 (IKKI COMIX) / 感想・レビュー

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厩戸皇子そっくりおじさん・寺

内田百けん(この「けん」の字はいつまで出ないのだろうか?「草なぎ剛」同様、どうにかならんか?)の鉄道旅行記『阿房列車』シリーズの漫画化。茶色い函入りの装丁が良い。旅行記が苦手な私も、百けん先生のまるっきり目的不在のこの旅は好感が持てる。脱力する様なユーモアセンスの文章のおかげで、ずるずるといつまでも読めそうだ。大阪へ行ってすぐ帰ったり、郷里岡山に寄っても大した感慨も無かったりする割に、日常的な瑣末な事に妙にこだわったり。こんなジジイになりたいとさえ思う。漫画化に張り切らない軽い絵柄も良い。

2015/09/05

へくとぱすかる

コミック版。1950年代の汽車旅を実にみごとに再現している(と思う。実際にはこちらも経験がないけれど)。例によって百閒先生が鉄道マニアとして好奇心満々で旅に出る。時刻表の検討などを読めば、明らかすぎるほど鉄道が好きなのだが、それを言わない。だから「阿房列車」ということにしてあるのだろう。3巻までだけどお楽しみ。

2017/06/11

ホークス

内田百閒の有名な鉄道紀行文のマンガ化作品。まだ復興したとは言えない昭和二十年代、お供のヒマラヤ山系君(平山氏)を従えて、鉄道好きの偏屈じじいが気の向くままに旅をする。しかし長い借金生活が終るかどうかの頃で、この本でも旅費の工面に苦心している。百閒の我がままぶりに呆れたり困ったりする人も多いが、ご当人は「いやだ」「気に入らない」と言いながら結構冷静に周囲を観察している。そんな喰えない百閒と、百閒の個性を愛でる人達の奥床しい交歓が、独特の上品さを生んでいる様に思う。

2015/09/24

九鳥

漫画を先に読むのはよくない、と新潮文庫版を一緒に買ったが、待ち切れずに結局1章ずつ交互に読んだ。びっくりするほど原作通り。でも随筆とは違った印象で楽しく読んだ。さらりとした線で淡々と進む部分と、アンソールのエッチングみたいに細かい線で覆われた情景とのバランスが絶妙。絵が上手いなあ。

2009/04/01

ひねもすのたり

本書は内田百閒の同名エッセイを漫画化したものです。 百閒の読み方ってさまざまだと思いますが、このシリーズエッセイは「オレは偏屈だが文句あるかっ!」を前面に出しています。 その面白味を漫画で味わうというのはむしろ王道なのかもしれません。 鉄道に関して言えば日本国中を新幹線が走っている昨今、百閒が旅した鉄道を文章だけでイメージすることが難しくなっているようにも思います。 原作のイメージを損なうことなく漫画化した本書の意味は大きいと思います。 クラシカルな函入りもいいですね。★4 

2015/08/14

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