ノストラダムス・ラブ (IKKI COMIX)
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ノストラダムス・ラブ (IKKI COMIX) / 感想・レビュー
ぐうぐう
1999年7月を舞台とする、いわゆるノストラダムスの予言を扱った物語は山のようにある。だからといって冬川智子は、奇抜さを狙うわけではなく、これまでの作品同様に、真っ直ぐに気持ちを綴っていく。ノストラダムスの予言を信じる主人公・桜を、その予言が当たらなかったことを知っている私達は、笑うこともできるはずなのに、いつしか彼女の切実さに共感してしまう。世界が終わる10日前から始まった恋愛に揺れる彼女の不安と喜びは、いつかの、もしくは近い未来の、ひょっとしたら今現在の、私達の不安と喜びに重なっていく。
2014/04/17
ゆあん
図書館にて。絵も上手じゃないし地味だけど割りと好き。桜とまでいかなくても、こういう不安感は誰しも抱いた事があるんじゃないかな?
2014/11/27
みーやん
マスタードチョコレートがとても気に入ったので、2作目の冬川智子。大きなドラマがあるわけではないのに、世界に入り込んでしまう不思議。今作でも淡々と進むストーリーや全体の空気感がとても心地よくて、やっぱこの作者好きだな〜と思いました。自分の内面、存在価値、あらゆるものに自信が持てないから自己表現をしない。何もない自分を受け入れるのが怖いから逃げる。こういう感情を持つ人は多いんじゃないかな。きっと主人公に共感できるはず。エピローグがとても素敵でした。
2014/08/28
まさおっち@コミック
ノストラダムスの予言のせいにして、いろんなことを避けてきた彼女が、ちょっとずつ向き合っていく中で、親友ヒロタさんが桜へ感情ぶつけつつも優しくて、もっとぶっちゃけちゃえばいいのに。むしろ絶交言い渡してみればいいのに、などと思ったりしてごめんなさい(苦笑) エピローグは、まぁ、微妙かな。あってもいいけど、なくてもよかったなー。でも、この人のこの空気感が好きだな。
2014/05/22
一歩
以前に推した『マスタード・チョコレート』の著者冬川智子の新作。 古本みたいな感触の本です。表紙とか紙質とか、好きだな。 1999年7月、ノストラダムスの大予言に囚われた女子大生の小さな恋の話。こういう地味な作品を素敵に演出して世に発するIKKI COMIX(by小学館)にくいじゃないか。 極めて小説的で地味。面白味も少ないかも。でも僕は好きです。 ちっちゃなエッセンスで僕の大好きなフィッシュマンズを出してくる感じ、作家の柴崎友香を思い出す作風かもしれない。冬川さんの物語はするりとすり抜けていく水みたいだ。
2014/04/27
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