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period (5) (IKKI COMIX)

period (5) (IKKI COMIX)

period (5) (IKKI COMIX)

作家
吉野朔実
出版社
小学館
発売日
2014-11-28
ISBN
9784091886705
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period (5) (IKKI COMIX) / 感想・レビュー

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ちゃりんこママ

本来なら収拾出来る話では無いのだが、そう来たか!と、いう感じ。重荷を背負って生きるということは、実は他の小さな困難が大した事に感じなくなる。乗り越える為に足元を踏みしめ、知恵を絞って生きているからだ。生きている限り、ピリオドは無い。作者さんとは同じ世代なので、結局同じ視点になったかと思うと感慨深い。

2014/12/12

ぐうぐう

様々な種類の暴力がこの漫画の主題ではあるけれど、もうひとつ、「家」というのも、重要なテーマだったようだ。そう考えれば、1巻ごとに、兄弟はその居住場所を変えていく。抗えぬその強要も、またひとつの暴力だ。モノローグにあるように、「世界には地雷のように 暴力が埋まっている」。兄弟の運命にゴールがないように、彼らを襲う暴力にも終わりがない。その終わりのなさこそが、最大の暴力だろう。タイトルが、あまりに皮肉だ。しかし同時にそこに、ほのかな希望も宿っている。

2014/12/26

aoneko

完結してよかった。「かわいそうな子だから」という理由で助けてくれる子とか、それもまた暴力だと思う、生きることや死ぬこと、全てに真剣に考えた...というだけあって、思考停止に陥らなさが、逆に苦しいんだけど、完結したことと続いていくようなラストに、ひとまずほっとした。

2014/12/02

ちぇしゃ

直接的な暴力と、間接的な暴力、どちらも傷つくことは変わらないけど人間の心の底の澱みは、傷から生まれる。善意と悪意のはざまで、保護者を持たない登場人物たちは天真爛漫さと残酷さ、賢さとずるさなどの境界線上をさまよいながら、徐々に成長する。理不尽な暴力に対して、終止符を打つ時とはなんなのか、そしてピリオドが打てずに残る傷、そのほかに受け継いでいく記憶と、それぞれの抱える思い。暴力の連鎖の問題を感情論や精神論にせずに描ける手腕、最後の長編でもありますが、吉野朔実の真骨頂だと思います

2017/06/12

赤とんぼ

最後にこのPeriodとは思わなかった、父の遺品。「憎悪に囚われるより、幸福に囚われたほうがいいに決まっている」とは名言。愛は幸福にも憎悪にも化けるからなあ…。だからこそ、己の内の憎悪に囚われないことが、大切なのかもしれない。吉野さんの世界が見事に表れた名作。まだたくさんの作品が読めると、単純に信じていた。ご冥福をお祈りします。

2016/05/23

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