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赤色エレジー (小学館文庫)

赤色エレジー (小学館文庫)

赤色エレジー (小学館文庫)

作家
林静一
出版社
小学館
発売日
2000-07-15
ISBN
9784091924711
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赤色エレジー (小学館文庫) / 感想・レビュー

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アナーキー靴下

山川方夫の「頭上の海」を読み、本作品が浮かんだ。が、内容を具体的には思い出せず、一度手放した本を再購入した。何を読み直す必要があっただろうか、私はこれを知っていたのに。立ち位置を決め、責任の所在を明確にしてしまったら、自分の無価値さを突きつけられるのではないかという恐怖。何もかも失うくらいなら、理想の残滓を握りしめたまま先延ばしにしていたいのだ。しかしいくらしっかりと握りしめても、指の間から砂がこぼれ落ちていくように、ずっとこのままではいられない。逃避の中の愛は、何にも縛られないが故に美しく儚い幻想。

2021/08/23

YM

先の見えない不安はいつまで続くんだろう。たぶんずっとなんだろう。目の前のことでいっぱいいっぱいで。身近な人も思いやれない。心がカラカラになってたなあ。やっぱり本読まないと。。

2015/10/02

かっぱ

小梅ちゃんのイラストで有名な漫画家さん初読み。「ガロ」掲載ということで時代の空気を知っているのと知らないのとではこの作品の感じ方は全然違うのではないかと思えた。連載終了後に生まれた自分は描かれた当時の時代の空気は知らない。木造アパートに裸電球にひと組みだけの布団。漫画で飯を食おうとしている20歳の青年とその恋人の物語。愛し合っているけど結婚には踏み切れないでいる。血を連想させる描写が多いのは生活の苦しさを現しているのか。そんな赤色の生活を積み重ねる中で二人が選んだ結末は。表題作「赤色エレジー」ほか6編。

2018/06/16

大泉宗一郎

とてもシュールだ。主人公たちの意識にあるものは写実的に描かれ、逆のものは徹底的に簡略化されている。それは画のタッチにおいても、ストーリーにおいても一貫している。物語の終盤になってようやくこの試みの必然性がわかるけれど、ヘタウマと写実画がひとつのコマでひしめき合うさまはなんだか不安を掻き立てられる。それが作者の持ち味かな。『ガロ』という自由空間がなかったら完成しなかったかも知れない。

2017/06/07

阿部義彦

解説はあがた森魚さんです。飛躍した大ゴマの使い方には、「ねじ式」と同じ様な幻想的な構図が見られます。裸電球から黒いタールみたいなのが垂れていて電気をつけるとそれが霧散するのがえらく印象的でした。マンガがなんでー。

2015/08/31

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