家族 ファミリー (P+D BOOKS)
家族 ファミリー (P+D BOOKS) / 感想・レビュー
みや
母の出自に迫った「血族」に続き、謎に包まれた自らの父親の秘密を追い求める私小説。老境に至った作者が、幼少期の思い出を手がかりに自身の生い立ちを検証しつつ、平行して競馬に没頭する日常を綴る。ギャンブラーの行動原理や競馬仲間とのやりとりが冗長に描かれるなかに、どこか不穏な雰囲気が漂う。しかるに、終盤に訪れるカタストロフィは、さもありなんの感。この作者はどうも掴みどころがない。可憐な名前と無頼を匂わせる言動とのギャップのせいかもしれない。
2021/01/28
massda
小説で読む川崎の昔。だいぶジェントリファイされたけど、いまもこんなアングラな雰囲気は残ってると思う。とても面白い。
2019/10/21
kj.star
本作は「血族」とともにある意味で問題作として取り扱われた作品のようである。タイトルは『家族』であって、メインテーマは「家族との葛藤」とか、「家族愛」などの感情についてであるが、自分は多少違った感想を持った。当然個人による感受性や、生まれ育った環境の相違もあるだろうが、時代背景による考え方の変化が大きいのだろうか?。人種や職業を含め、経歴にとらわれない生き方に寛容となった現代は、昔と比べて幸福かもしれない。本作にて自分が受けた印象は、『競馬に魅せられた男たちをめぐる第二の青春』といったところか。
2016/11/16
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