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小説 太宰治 (P+D BOOKS)

小説 太宰治 (P+D BOOKS)

小説 太宰治 (P+D BOOKS)

作家
檀一雄
出版社
小学館
発売日
2019-06-13
ISBN
9784093523660
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小説 太宰治 (P+D BOOKS) / 感想・レビュー

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まゆまゆ

読もう読もうと思っていたのを、6月に。小説 「太宰治」となっていますが、檀さん自身の、ちょっと息苦しくて苦い青春も共に描かれています。中也との青鯖事件(笑)や、檀さんを残して井伏さんと将棋指してた熱海事件など、有名なエピソードも多数。想像する事しか出来ない太宰さんの生きている姿を、こうやって残してくれてとても嬉しい。振り返って「やあ」と檀さんを迎える姿が好き。

2022/06/23

東京湾

「誰だって、妄想はある。そもそも人生というものは自分の妄想を抱いて、墓場に急ぐ道程の事だろう。しかし太宰の場合は、殊に一方的に増大してゆく妄想が激しかった。成程、人生という奴は作ってゆく人生だ。しかし、この太宰の作られてゆく人生には全くと言っていいほど天然の是正がない」太宰治という人間への洞察と、彼をめぐる青春の回想。放蕩に耽った若き日々や作家仲間との交流など、同時代を共に過ごした者にしか書き得ない記録に満ちており読み応えがある。翳りある人情家としての太宰の姿が印象深かった。放埓の中に哀愁が漂っている。

2019/08/06

キノコン

これは安吾の「不良少年とキリスト」と同じく太宰の回顧文だけど、もっと太宰治が生きていたことを感じさせる。どんな匿名を使っていてもその語感から即座に見分け得る自信のあったという檀一雄。プーシュキンの「生くることにも心せき、感ずることも急がるる」とチャボの番の話は忘れないようにします。

2022/03/07

丘の家

★★★☆☆ 太宰の自死は「彼の文芸の抽象的な完遂の為」だったと檀は語る。太宰にしても壇にしても、酒や女遊びがやめられず、それは意志が弱いだけなのに、悲哀などと文学的修辞でみずからの失敗を飾るのだから、いい気なものだ。しかしまあ、壇を借金の人質として熱海に残し、金を工面するために東京にもどった太宰が、檀との約束を反故にして井伏鱒二と暢気に将棋を指していたというエピソードはたしかにおもしろい。「いらいらと太宰流の人生に巻添えを食わされる不快を誰も感じながら」という一文が印象深い。中原中也の酒乱ぶりも笑えた。

2021/05/29

今野ぽた

「○○だねえ」が太宰の口癖だったのだろうか。特に「泣けるねえ」という言葉が何度も出てくる。ヨーヨーにも涙を流す太宰。とにかく酒を飲む飲む。熱海事件、味の素、中原中也との関係などなど太宰治エピソードは大体ここから生まれたのだなと思った。

2021/02/16

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