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でんでら国

でんでら国

でんでら国

作家
平谷美樹
出版社
小学館
発売日
2015-01-14
ISBN
9784093863995
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でんでら国 / 感想・レビュー

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nico🐬波待ち中

大平村では60歳に達すると誰もが生まれ育った村を離れ「でんでら国」へ旅立つ。それまで背負ってきた重圧を降ろし、晴れてのびのびと余生を楽しく生きるために。幕末の混沌とした世で百姓が安心して暮らせるように創り守られてきた「でんでら国」。いつも朗らかな「でんでら国」の爺婆たちの姿は羨ましい限りで、こんな桃源郷が身近にあれば余生を楽しみに待つに違いない。けれど「でんでら国」は探し求める場ではなく、自分の手で作り上げなければ意味がない。現代社会への警告とも受け取れた。昔も今も元気な爺婆たちは社会を明るく照らすのだ。

2019/08/31

モルク

幕末、陸奥にある大平村は60を過ぎた老人を山に捨てる姥捨の村。実際に老人たちは「でんでら国」と呼ばれる山奥の冥土の地に旅立つ。果たしてその実態は…老人たちが農業を協力して行い楽しく暮らす桃源郷であった。隠田探しの侍たちとでんでら国のジジババとの攻防は痛快。亡霊になってみたり、様々な知恵、小細工で侍たちを翻弄する。軽妙であっという間に読み終えた。あぁ、楽しかった!

2020/02/14

ねむねむあくび♪

図書館本。愉快痛快な時代物。高速参勤交代や忠臣蔵の節約物語など、ここ最近、映画や小説でもユニークな時代物が増えていて嬉しい。この作品も面白かった!老人達のたくましさが小気味よくて一気読み。人が老いて耄碌するのは自然な事。明日は我が身と世話をする老老介護は、今とて同じ事。でんでら国のように、皆で助け合える、閉塞感が無い介護は確かに良い。私も老いたら、老人ホームに入るより、自分で出来る事は自分でする老人シェアハウス?に入りたいな😁笑笑。

2020/02/04

あすなろ

読者はいきなり本作で問われる。棄老と子殺しはどちらが無残か?その後更にストーリー進み問いかけも進む。棄老された者達の生活を見て、これが老楽の姿かなと。ホントはこの世界の方が理想郷ではないのか?更に、棄老された者は亡者。亡者であれば身分差も超越する闘いを挑むことができる。その強さの源は、老練さと精神の健全性が一番だが、背景として脈々と受け継ぐでんでら国の精神と財の源が根底にある…。姨捨をイメージしたら違った、一種の痛快ストーリーだった。美月さん、007さん、展開面白い内容でした。

2015/05/13

はにこ

姥捨てという重いテーマかと思ったが、老人達がイキイキしていて楽しそう。老人VS武士、老人頑張れーと応援しながら読んだ。武士の時代はこんな理不尽が罷り通っていたのだと思うとゾッとする。老後にこんな国があるなら私も住みたいなぁ。自分で作るのは無理だけど。ワクワクできて面白かった!

2021/01/04

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