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ガラパゴス (上)

ガラパゴス (上)

ガラパゴス (上)

作家
相場英雄
出版社
小学館
発売日
2016-01-26
ISBN
9784093864329
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ガラパゴス (上) / 感想・レビュー

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サム・ミイラ

フィクションとは言え事実だと思わせる内容。あまりに知らなかった派遣労働の実態に怒りがこみ上げる。自動車メーカー発表のデータは眉唾だと知ってはいたが、まさか日本が最も酷いとは思わなかった。ショック。朧げに浮かび上がる失踪人の死の真相。少しづつ真実に近づいてゆく興奮。利権を貪る悪徳警官との水面下の攻防。なぜ彼は殺されなければならなかったのか。田川刑事には何としてもこの男の無念を晴らして欲しい。巨悪に立ち向かって欲しい。久しぶりに感情移入出来る物語に出会った。反撃を期待しつつ下巻へ。頑張れ田川刑事!

2017/02/16

starbro

3月の1冊目は相場英雄の最新刊「ガラパゴス」です。相場英雄は新作中心に読んでいる作家です。上巻、一気読みです。現代の社会派ミステリー、全盛時の松本清張を想い出しました。著者が新潟県出身で、ほぼ同世代ということを知り、親近感を持ちました。トータルの感想は、下巻読了後に。

2016/03/01

yoshida

「震える牛」の田川刑事再び。自殺とされていた男が、他殺である事を田川は見抜く。殺害された男を調べる田川は、日本の雇用破壊である人材派遣に辿り着く。現在の日本に蔓延る欺瞞、自動車メーカーの燃費詐称、偽装請負等で働く人間の生き血を吸う人材派遣会社をテーマとする、社会派のサスペンス。漂う空気が宮部みゆきさんの「火車」と似ている。いつから日本はここまで苛烈な国となったのだろうか。規制緩和の美名のもと雇用が不安定になる。私も今の勤務先を馘首されれば、新たな雇用に不安がある。これからの日本の良識を感じる結末を望む。

2017/04/29

Yunemo

非正規雇用労働者、日本の産業構造という素材で、殺人事件のあり方を問うミステリー、まだ上巻なのにやりきれなさが窺えます。日本社会って、ほんとにガラパゴス化してるんだろうか、渦の中にいると全く見えない事実が浮かびあがってくる感。日本の最先端技術を駆使したハイブリットカー、実態はこうなの?企業と従業員、その他に外注加工費に計上される隠れ人件費、なんだか今の政策の良し悪しが分からなくなってます。とは言っても、作品中に滲み出てる田川警部補の捜査法、ある種の職人芸が自身の気持を高揚させてくれます。それにしても動機は?

2016/03/06

しんたろー

『震える牛』事件から4年後・・・田川刑事の再登場と、相変わらずメモで手帳を継ぎ 足してパンパンにしながら地道に捜査している姿が嬉しい。上巻は「派遣の過酷な 実態」「エコ減税への警鐘」「自動車業界のガラパゴス現象」の3つが社会性テーマ として絡み合って、殺人事件の根源として描かれている。どんな風に田川が真実に 辿り着き、悪党たちを追いつめてゆくのか・・・相棒の木幡と共に頑張れ!そして、 鳥居刑事の必要悪のような存在が、どうなって行くのかも興味津々。派遣社員の 嘆きや現状を憂慮しながら、下巻へ進む・・・。

2017/02/09

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