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さよなら、田中さん

さよなら、田中さん

さよなら、田中さん

作家
鈴木るりか
出版社
小学館
発売日
2017-10-16
ISBN
9784093864848
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「さよなら、田中さん」のおすすめレビュー

あさのあつこ、石田衣良、俵万智らが大絶賛! 14歳スーパー中学生作家、待望のデビュー作『さよなら、田中さん』の内容とは?

『さよなら、田中さん』(鈴木るりか/小学館)

 今話題のスーパー中学生をご存じだろうか。その名は、鈴木るりか。2003年生まれの中学2年生。小学館主催「12歳の文学賞」で史上初となる3年連続での大賞受賞を果たし、あさのあつこ氏、石田衣良氏、西原理恵子氏らから大絶賛を受けた新進気鋭の天才作家だ。そんな鈴木るりかのデビュー作『さよなら、田中さん』(小学館)が彼女の14歳の誕生日に刊行された。みずみずしい感性でつむがれた5編の連作短編集は瞬く間に重版。その内容に注目が集まっている。俵万智氏は「素晴らしすぎる。私たちが、同時代に鈴木るりかという作家を得たこと。これは事件だし僥倖だし大きな希望」と鼓舞し、道尾秀介氏は「書いた人の年齢なんて関係ない。面白いものは面白い。読めてよかった」と絶賛。鈴木福くんは「同じ中学生が書いたとは思えない! ひとつひとつの言葉に驚かされた」とコメントを寄せるなど、彼女に大いなる期待がかかっているのがわかる。

 物語の主人公・田中花実は小学6年生。ビンボーな母子家庭だが、底抜けに明るいお母さんと、毎日大笑い、大食らいで過ごしている…

2017/12/27

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さよなら、田中さん / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

鈴木るりかさん、14歳のデビュー作。5つの章から成る連作短篇だが、そのうちの「Dランドは遠い」は小学校4年生の時、巻頭の「いつかどこかで」は6年生の時に「12歳の文学賞」大賞受賞作を改稿したもの。デフォルメが随所にありながらも適度に抑制され、うまく全体と調和している。読んでいて面白く、痛快である。しかも、その底流には生きることの哀しみがペーソスとして流れている。ただ、些か子ども重松清といった気配がしないでもないのだが。語彙も感性も思いっきり豊かな作品。ヒューマニストに推薦!

2022/07/19

zero1

この本を中学生が書いた?背伸びしている部分はあるが笑えて共感した。母子家庭の花実は小6。母親は肉体労働で収入を得ていた。不審者が学校で問題視されたが、その正体は?母親のお見合い話にDランドに行きたい花には金がない。銀杏拾いと七五三も。感心したのが最後の話。花と同じクラスの男子が登場し、彼の視線で語られる。こうした構成により、物語がより奥行きを見せる。場面の切り替えなど減点部分もあるが、商業ベースで出せる一冊になっている。話題になるにはそれなりの理由がある。少なくとも私はこの作家の別の作品を読みたい。

2020/03/22

風眠

鈴木るりかさんは、やっぱりあらゆる事を超越した女の子だと思う。スーパー中学生?そんな枕詞はいらない。彼女はもうすでに小説家だ。ひとつひとつは独立した短篇だけれど、その中で起承転結があり、思いもよらない真相が待っている・・・が!そこからが彼女の真骨頂。現実の過酷さを語って終わりではなく、ふわりと暖かな余韻を残してゆく。その筆致は感情に走ってはいない、けれど、どこまでも優しいのだ。登場人物は皆、何かを抱えている。それは壮絶な何かだと思う。そこを書かないから隙間が際立つ。その隙間に人の心の複雑さが見え隠れして。

2018/12/24

さてさて

小説を読むことはどこまで行っても趣味の領域です。読んでいて楽しい!そう感じられる作品に出会うために私は様々な作品に手を出してきました。そんな中で出会ったのが、刊行時、中学二年生だったという鈴木さんのデビュー作であるこの作品でした。『花実ちゃんみたいな女の子に、私自身なれたらいいなぁと思ってます』とおっしゃる通り、同年代だからこそ表現できる世界がここにある、同年代だからこそ登場人物がリアルに動き回る世界がここにある。この作品はそんな読書の原初の喜びをふつふつと実感させてくれた、まさしく傑作!だと思いました。

2022/06/11

三代目 びあだいまおう

主人公の花実は母と二人で暮らす小学六年生。生まれたときには既に父親はおらず、思い出はおろか面影さえない。小6の女の子の感受性や目線、大人とは違う、でも真剣な気遣いと行動、何より母親の超個性には大爆笑!『漁港の~』の肉子ちゃんや『佐賀の~』のがばいばあちゃんを彷彿!そんな母親の幸せのために健気になる花実が愛しい❗泣かせるなぁ(マジ涙) この本の語り手は花実。小6目線の語りは新鮮で面白い❗お母さん魅力だらけで好きです‼️最終章だけ視点が変わる。泣きます。泣くしかできなかった!お薦めではない!必読です‼️🙇

2019/02/25

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