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太陽はひとりぼっち

太陽はひとりぼっち

太陽はひとりぼっち

作家
鈴木るりか
出版社
小学館
発売日
2019-10-17
ISBN
9784093865562
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太陽はひとりぼっち / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

田中さん(田中花実)のその後を描く、いわば続編。表題作には、彼女の破天荒な祖母のタツヨが初めて登場する。作者が案に窮して新しい人物を出すことで、物語に活路を見いだそうとする常套手段にうったえたのは残念。裕福な佐千子との対比と、彼女の実態といった物語の運びももまた。今回は、付録的な位置付けの「神様ヘルプ」と「オーマイブラザー」の方がむしろ成功しているようだ。視点が周辺に移動したために、伸び伸びと語れたのかもしれない。前者は、三上信也の思春期的葛藤をよく捉えているし、後者の木戸先生編も今様のテーマを巧みに⇒

2022/10/11

さてさて

この作品では、前作の世界観の上に、作品を『居場所』というキーワードで深掘りしていく先に、オリジナルの世界観をさらに深める読み応えのある物語が描かれていたように思います。ある時はコミカルに、ある時はちょっぴり読者にイヤミスを、そしてある時はじわっとした感動を与えてくれるなど、読者の心の振り幅を意識しているのを感じさせる巧みな構成と、”続編もの”だからこそ感じる鈴木るりかさんの作家としての確かな成長を感じたこの作品。そう、鈴木るりかさんという小説家に、今後ますます目が離せなくなった、そう強く感じた作品でした。

2022/06/15

zero1

若き才能が踏み込んでいる。まず、その勇気を大いに認めたい。デビュー作「さよなら、田中さん」の続き。中学生になった花の目を通して【家族とは何か?】を描いた表題作。【居場所】のない辛さは共感。謎の老婆は何者?賢人の過去が明らかに。「神様ヘルプ」は三上君の話。カトリック系の学校で寮生活する彼は神父を目指す。父が倒れたという連絡を受け急遽実家に。そこからがこの作家らしい展開(笑)。「オーマイブラザー」はオカルト話が不明の兄と、どう繋がるか。現代なら有り得る話で構成の上手さが光る。次作が楽しみだがまた誕生日に出す?

2021/01/07

三代目 びあだいまおう

コロナ禍という先の見えない『今』にこそ相応しい、著者からの贈り物。るりかさんは太陽そのものなのだ!そう思わせるほど、私に喜びを与え嬉しくさせてくれた。語彙力と言葉選びのセンス、度々クスッと笑わせてくれるユーモア。登場人物達の成長と、それを齎した著者の成長がとんでもなく嬉しい!この本にはきっと、私たちが大人になるにつれて忘れかけてきた大切な何かがつまっている。自分には居場所がないんだと絶望する人があまりに多い。少し立ち止まって空を見ようよ!一人ぼっちの太陽が、君を、世界をあたためてくれてるじゃないか‼️🙇

2020/11/26

tetsubun1000mg

14歳で書いた「さよなら田中さん」も面白かったが、この作品は前作の登場人物を生かしながら一回り奥の深い作品になっていた。 冒頭の「太陽はひとりぼっち」は友達の佐知子とのエピソードが今時であったり、主人公花実と対照的な生活ぶりなのに悲しい境遇にある。 更にいないと言われていたおばあちゃんが表れて母との暮らしをかき回していく。 でも優しい花実はおばあちゃんを憎めないところがあり、 結末にはちょっとホロッとさせられる。 これを高1で書いたとは信じられない。 将来最年少芥川賞直木賞があり得るのではないでしょうか。

2021/01/28

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