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私を月に連れてって

私を月に連れてって

私を月に連れてって

作家
鈴木るりか
出版社
小学館
発売日
2020-11-17
ISBN
9784093866002
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私を月に連れてって / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

表題作を含めて3つの短篇から構成される。まずは、田中さんシリーズの正編ともいうべき『遠くへ行きたい』。語り手の「わたし」と佐知子(+石井君)の物語。のんちゃんとの邂逅、そして木戸先生を伏線に、後半の重大な秘密へと導いて行く構造。流れはとってもスムーズで上手くはあるが、逆に先行きが心配にもなる。続いては『私を月に連れてって』。これは大家さんの家のニート賢人の物語。いわば外伝とでもいうべき位置づけ。そして最後が『夜を越えて』。こちらは『遠くへ行きたい』を補完する補遺篇か。これら一連の物語は、明らかに続編の⇒

2024/04/14

ウッディ

女手一つで自分を育ててくれる母を思いやり、地に足を着けてしっかりと生きる中学生の花実。「パンツは履いても人生は儚い」など、くすっと笑ってしまう軽妙な親子の会話が面白い。驚くべきは、まだ高2の女子高生が書いたとは思えないレベルの高さ、自分の娘や息子より年下ではないか。ニートの賢人の恋の行方や、母の過去の真相など、伏線回収が甘いところはあるが、続編で明らかになっていくのかな?家計を気にしながら、倹約に努める健気な少女を描き、河合奈保子を出してくるなど、オジさんの心もガッチリつかみ、末恐ろしい才能を感じました。

2021/03/28

みも

もはやどんなに難しい熟語を駆使していようと驚かない。彼女の才能は僕の中で定着し、より高いレベルでの進化を求めるステージへ…。「遠くへ行きたい」116頁。無戸籍児を扱いつつ、花実の出自には不穏な気配が…謎は明かされる事無く伏線回収は次作へ持ち越しか!?「私を月に連れてって」66頁。賢人の恋物語。彼は引きこもりではなくて、只のニートだったんだね。意外に能天気で驚き!これも結末は次作へ持ち越し。前作も必読です。「夜を越えて」36頁。花実のお母さんの少女時代…秘密が明らかに…。ところで人物設定の構想はいつから!?

2021/02/01

mae.dat

花ちゃんシリーズ再読キャンペーン第3弾。半分以上の頁を占める第1話『遠くへ行きたい』は花ちゃん目線。2話目は賢人を主人公に据えての表題作。最終話は1話目の伏線回収スピンオフとなってて、またもバラバラなんですね。新作に向けての一番の関心は、賢人と文代さん(偽名)がどうなるかですね( ¨̮ )。今作で賢人は心機一転しましてね。いきなり『フライミートゥザムーン』の調に乗せてダンスに誘われたら戸惑うけどね。恋のパワーは凄みがありますね。猪突猛進型の力強さ。一皮剥けるのでしょうか。楽しみが尽きません( ¨̮ )。

2023/10/01

いつでも母さん

今回もるりかさんに脱帽の感。今回は『月』読後は納得というかストンと腑に落ちて…。ドキドキした一話目から、思わず「賢人―」って身内のような感覚になり、ほろっとさせた三話目が切ない。もう次の誕生日が待ちきれないよ、るりかさん。木戸先生の出番は次もあるだろうし、賢人のその後も気になる。何より花ちゃんの母が元気でいてくれるといいなぁって祈るよ。みんな時を経て大人になったのだね。みんな、みんな幾つもの夜を越えて、今日はまた新しい1日を懸命に生きている事を嚙み締めさせてくれる。そんな今回も私は大好きだ~。

2020/12/09

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