不思議カフェ NEKOMIMI
「不思議カフェ NEKOMIMI」のおすすめレビュー
やさしい魔法使いと黒猫がひらくほっこりカフェで「幸せ」のあかりを灯す。村山早紀氏の新作は海外のおとぎ話のような連作短編ファンタジー
『不思議カフェNEKOMIMI』(村山早紀/小学館)
冬の日は、あたたかな飲み物を用意してほっこり静かに読書をする…そんな本好きには魅力的な時間に、あなたならどんな一冊を選ぶだろうか。ミステリー、SF、趣味の本…いろいろあるけれど、寒いときは心の奥までじんわり温めてくれる本もいい。村山早紀さんの『不思議カフェNEKOMIMI』(小学館)は、そんなときにぴったりな連作短編ファンタジー。やさしい魔法使いと黒猫が、ひだまりのようなぬくもりでこわばった心を静かにゆるめてくれる。
毎日こつこつと働き、自分の時間には本を読み、紅茶を淹れて音楽を聴く。地味だけれど、つつましく生きてきた律子は、このところ頭痛に悩まされていた。ひときわ痛みがしんどいある日、会社の帰り道に瀕死の黒猫を見つけてなんとか家に連れ帰るが、頭痛はひどくなるばかり…実は彼女はその夜「死ぬ運命」にあったのだ。だが、心優しい彼女をあわれんだ魔神は、律子を出会ったひとびとを救い、幸福にするための力を持つ「善い魔法使い」に変え、黒猫メロディも彼女の相棒となるべく復活させる。人ならぬ身となり、黒猫メ…
2023/1/25
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不思議カフェ NEKOMIMI / 感想・レビュー
starbro
本日の猫本第二弾、村山 早紀は、新作中心に読んでいる作家です。本書は、白猫&黒猫魔法ファンタジーの佳作でした。 「不思議カフェNEKOMIMI」に行ってみたいにゃあ(=^・^=) https://www.shogakukan.co.jp/news/475468
2023/02/22
旅するランナー
不思議な旅するカフェ。善き魔法使いのカフェ。千の風になって、あちこち旅して、そっとお店を開いて、こっそり誰かを幸せにする。こそばゆくなる、おとぎ話世界。純粋で優しい心を失くした僕のような人間には、ケッ、甘ったる~って感じです。が、最後に反戦の訴えとか、神様の不在とかしっかりした主張を持ち込んでこられて、我慢して読み通して良かったと思えました。
2023/03/19
しんごろ
50代で頭痛が原因で亡くなった律子さん。亡くなるその日に魔法使いとなり、空飛ぶキッチンカーでカフェオープン。ファンタジーな世界を堪能することができました。怪談話も村山早紀さんにかかればお伽話に。気配りいっぱい、優しさいっぱい。律子さんの料理してる姿が楽しそうで、料理は間違いなく美味しいだろうなあ。良かったけれど、個人的には序章が長すぎる感じがしました。序章をスッキリさせて、物語の核となる本編を、もっと書いてほしかったかなと思いますが、気配りと優しさがほんわか溢れた物語であるのは確かでした。
2023/06/09
mint☆
謙虚に慎ましく生きてきた主人公の律子さん。物語の冒頭から悲しい出来事が起こる。その後に起こる不思議な奇跡で律子さんは魔法使いになる。と書くとなんだか壮大な物語が始まりそうだけど、この本の中にはただただゆったりとした優しい空気が流れている。黒猫のメロディと一緒にキッチンカーで旅をしてささやかな魔法を使い、人を幸せにする。そんな生活を覗き見させてもらってるみたい。読み終わるのがもったいないな。温かい紅茶を飲みたくなりました。#NetGalleyJP
2023/01/23
まちゃ
大人の絵本のようなファンタジー。もっとカフェの話が多いのかと思ったら、そうでもなかったです。ファンタジーテイストの作品のせいか表現が少し冗長かなと思いましたが、魔法の車に乗って旅する魔法使いと出会った人々の最後の回想は温かい気持ちになるものでした。
2023/03/24
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