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物語を生きる: 今は昔、昔は今

物語を生きる: 今は昔、昔は今

物語を生きる: 今は昔、昔は今

作家
河合隼雄
出版社
小学館
発売日
2001-12-01
ISBN
9784093873727
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物語を生きる: 今は昔、昔は今 / 感想・レビュー

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ムーミン2号

古典に親しんでいなければちょっと理解が覚束ないかもしれない、そんな論考。一般向けではあるが、ちょっと学術寄り。こういう時の河合さんの文章はちょっと苦手だ。しかし、中では第8章の「紫マンダラ試論」は視点が斬新で(知らなかっただけかも?)興味深く読めた。『源氏物語』においては光源氏にスポットが当たりがちだが、どうにも彼の存在が薄いというのだ。それは何故か?が語れる。彼と関わる女性たちを中心にすると『源氏物語』はもっと分かりやすく読めそうに思える。そして紫式部という人がどんなに優れた作家であったかが実感される。

2017/12/27

Gotoran

平安時代の王朝物語をいくつか読み解く中で、人の意識と意識されない心のはたらきをつなぐものとしての物語の役割について、鋭く、深い洞察が加えられている。非常に示唆に富んでいて、現代に生きる我々が自分の物語を作り上げていく上での有益な知見が得られる。随所に、深層心理学的な解説・解釈がなされており、非常に興味深く読むことが出来た。流石、河合先生だ。著者あとがきで、D.キーン氏の言葉として、日本の古典は面白いのに学校で教えるときは文法に力点がかかりすぎ文学としての興味を無視する教え方で、古典嫌いになる人が増え残念↓

2011/10/24

湯飲み猫

自分の人生を一つの物語ととらえるその時、千年の風雪を耐えて残った古典の数々は、生きるヒントを教えてくれる。なぜなら物語を書いた人々は、自分の生に何かしらの疑問を持ち、それを物語として表現しているのだから……。230ページくらいから述べられている「ものの流れ」という概念は、生きることをより豊かにしてくれると思う。たくさんの「人生」をみてきた河合さんだから言い切れる概念なのだろう。この人の物語論をもっと知りたくなった。

2012/03/31

小倉あずき

河合隼雄の物語論。日本の「物語のいできはじめの祖」とも呼ばれる『竹取物語』から『我が身にたどる姫君』までを取り上げ、韓国の「恨」の物語や欧米の「原罪」との比較にまで展開する。 夢が重要なポイントとなる物語を取り上げ、臨床心理での夢へのアプローチとの親和性指摘する。 人間が生きるには物語が必要なのだなぁ、とつくづく実感する

2016/12/17

take

「第2章/消え去る美」…かぐや姫が誰のものにもならず立ち去っていくということを重んじる「美意識」が論じられていた。熱愛発覚などの「醜聞」も無く卒業していった元AKBの前田敦子さんは、見事にかぐや姫的な美しさを演じていたのかと思う。他の章でも「継母」を「母の否定的側面」と見る読み方や、源氏物語の登場人物を紫式部の内面の断片が顕現したものと捉えて、作者の人格的発展を捉える読み方等、大変興味深い内容が多かった。

2016/07/06

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