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チューバはうたう (小学館文庫 せ 3-1)

チューバはうたう (小学館文庫 せ 3-1)

チューバはうたう (小学館文庫 せ 3-1)

作家
瀬川深
出版社
小学館
発売日
2016-09-06
ISBN
9784094063356
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チューバはうたう (小学館文庫 せ 3-1) / 感想・レビュー

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Willie the Wildcat

出会い、生活の一部となり、自身の軸の一端となる。自然と集う同じ価値観を分かち合う者同士。表題作と『百万の星の孤独』は、成長の対照。前者は成長過程であり「自」が主だが、後者は一定の成長後の「他」が主。理性から感性、だから”ポルトガル語”。後者の心を拓き、人を繋ぐ過程が印象的。特にロンゲ。キモは「11等星」。秘めた思い、通じる思い。人の心底の共通項に響く思い。プラネタリウムの上映会の帰り道、登場人物1人1人の”変化”が温かい。御木本のFollow-upも粋ですね。これまた言葉ではなく心。

2016/11/26

4fdo4

私もチューバを吹いていたので題名にひかれて購入。 著者もチューバ吹きだったらしい。 どんな作者かとWEBで調べたら、小説とは違ってぽっちゃりした中年男性。あら。。 「なんでチューバ吹いてるんですか?」「チューバって吹いてて楽しいんですか?」 作品の中に出てくるこの問いかけはすごくわかる。 そして「それがピアノやギターなら同じことは聞かれないだろう」という。 目茶目茶わかる。さらに「英語を学ぶ」なら他人は無条件に動機を受け入れるが これが「ポルトガル語を学ぶ」なら。 わかるわかるわかる!!

2020/03/22

tom

再読。以前に読んだのは図書館本。書店をウロウロしていたら、文庫になったこの本を見つけて、もう一度読んでみようと購入。再読して思ったことは、瀬川深さんの書く物語は、「チューバは歌う」に尽きるということ(ミサキラジオも良かったけれど)。この物語を読みながら、私の体には、音楽に対する執着と熱狂が溢れ出てくるわけです。音楽を書いた本はいろいろあるけれど、この本ほどに熱い感情を読ませてくれるものは、ほかにはちょっと見当たらない(佐藤多佳子の音楽小説が、この本と同ランクかな)。ということで、お久しぶりの音楽本を堪能。

2017/03/14

みこと

何年か前に単行本を読んだので今度は文庫を。やっぱりいいなぁ。これを読むとチューバを吹いてみたくてたまらなくなるし、とてつもなく熱い音楽への情熱に巻き込まれてくらくらする。同じように身を投じてみたくなる。 あとの2編もよかった。飛天の瞳、前はそれほど印象に残らなかったのに今回は全然違う。誰かの言葉や声や気持ちがふとしたことで根を張り、馴染み、まわりと溶け合ってひとつになっていき、誰かの心に影響を与える。3編目もそう。たったひとつのプラネタリウムが呼び込む縁と与える影響。とてもよかった。読んでよかった。

2017/08/08

部活の吹奏楽でトロンボーンを吹いていたので、おなじ低音の金管楽器としてチューバには親近感をいだいてきたけど、偏見にあらがう女性チューバ奏者の熱弁に、無意識の痛いところを突かれて、苦笑いが読書の伴奏に。26歳OLには似つかわしくない古風な言いまわしが、チューバへの偏愛という高度にマニアックな趣味と調和していてクセになる。国も時代も言葉もこえてダイレクトに世界へつながる音楽の力が全篇にみなぎり、身も心もリズムにゆだねる悦びを追体験できた。仕事と楽器を両立する情熱にのまれて、演奏したい病が再発してしまい困惑中。

2016/09/25

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