咆哮 (小学館文庫 フ 8-1)
咆哮 (小学館文庫 フ 8-1) / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
咆哮とは穏やかではない。いや、彼女は叫ぶことすらできない。何せ氷の下に閉じ込められているのだから。だから咆哮するのは彼女ではない。ならば誰だろう?さて、そこに行く前に叫べない彼女に注目して見よう。単なる殺しならばスルーされる。ところが金襴緞子のドレスを着て口の中には数字のバッジが。金襴緞子ですよ金襴緞子。日本ならば嫁に行く花嫁御寮が着る。外国だからさしずめプリンセス。おや、こうなると見立て殺人か。何かを伝えたいというなら、殺人はこれ一つではおさまるまい。発見者は酔っ払っていたクロイトナー上級巡査。
2021/01/31
momi
ドイツミステリー!アイゼンベルクシリーズの著者のデビュー作品!アイゼンベルクシリーズはぐいぐいひきこまれていく作品だけど…これはデビュー作だからなのか…入りこんでいくのに時間がかかってしまった…。今回の事件は凍てつく湖の氷の下から少女の死体が発見されたことから始まる物語。生け贄!?最初と最後がそこにつながっていくのか…。若かりし頃の過ちが人の人生を狂わすのですね…犯人の心情が切なく…また哀れです!さてこの警察コンビは今後うまくいくのでしょうか…クロイトナー巡査には本当にハラハラさせられます。
2021/04/20
坂城 弥生
氷漬けの遺体とか衝撃的な感じだったけど、動機は本当に痛かった。
2021/05/04
しゃお
〈ヴァルナー&クロイトナー〉シリーズ1作目。とはいえ事件の始まりを告げる外勤部門の制服警官クロイトナー上級巡査は狂言回し的な役割で、事件を指揮するヴァルナ―主席警部とは直接的な絡みは無く今後のシリーズ展開でどう描かれるのか興味深いですね。事件はシリアルキラーによる連続殺人として捜査が開始される中、捜査陣が翻弄されつつも浮かび上がる手掛かりを追い事件が解決されていく警察小説として丁寧に描かれています。事件そのものはやるせなく暗鬱としたものですが、ユーモラスな場面なども多く読みやすいですし今後が楽しみです。
2021/02/07
petitlyz
【図書館で借りた本】ドイツの巡査クロイトナーが酔っ払ってドライブして(!)凍った湖で氷の下にいる金襴緞子で包まれた遺体の少女を発見する。同様の遺体が他にも見つかり、任に当たった警部ヴァルナーが地道な捜査をする。寒そうで陰鬱な流れになりそうなのだが、ヴァルナーと同居するおじいちゃんが色々ぶちかましてくるので笑えるところもあった。犯人の動機としては納得というほどでもないけど、冒頭のクロイトナーが最後まで見せ場を作ったりして面白かった。続きが出るなら読みたいです。
2021/02/19
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