間宮兄弟 (小学館文庫 え 4-1)
間宮兄弟 (小学館文庫 え 4-1) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
初出は「女性セブン」での連載('03年7月~'04年1月)。同性である私たちは間宮兄弟の行動を微笑ましく受け止めるのだが、さて女性の読者たちにとってはどうだったのだろう。性格の違う兄の明信と弟の徹信。二人に共通するのは女性にモテないこと。そりゃあ二人のあの態度ではねえと思うものの、そんな二人の良さを何とかわかってもらえないものかと、ついつい応援したくなる。二人そろってのマザコンもまずいかなあ。母親にはいい息子なのだけれど。兄の空回りと弟の玉砕。でも、それでもいいのだろう。彼らは孤独ではないのだから。
2022/02/08
kanegon69@凍結中
理想の男性像からは残念ながら外れている間宮兄弟。三十代の二人はそれぞれの職場で黙々と働きながらも人間関係、特に女性との関係で失敗続き。この物語の中でも兄と弟のそれぞれの淡い恋が描かれているが、どうにももどかしい。でもその痛さやうまくいかない時の歯がゆさ、落ち着くための行動パターンなどがとても分かる。女性が書いたにしてはよく男性心理が分かっているなと驚くとともに、モテなくても人間関係が下手でもいんだよと言われている気がした。この兄弟のこれからも続いていくであろう生活ぶりをいつまでも微笑ましく見ていたい気分だ
2020/05/08
❁かな❁
なんかとってもいい♡このゆる〜い空気感が心地よくて癒される。30代の間宮兄弟は2人暮らし。いい人だけどなかなか恋愛対象として見てもらえないモテない兄弟。だけど自分たちの日常生活の楽しみ方を知っていて仲良く過ごしている。このなんとも言えない温かいほっこりした雰囲気が最高♡江國さんの作品を読むのは20作目だけどいつもと少し違う感じ。本間姉妹もとても可愛い♪映画のキャストもぴったり!ずっとこの世界に浸っていたくなるような優しく穏やかな読書時間だった。幸せそうな兄弟が微笑ましくて良かった♪お気に入り♡
2019/10/10
ケンイチミズバ
昔、これを読んだ時、江國さんの作品で、もてない男二人は新しい試みだなと思った。時代がキモイを受け入れた頃だろうか。兄弟は、小川洋子さんの「ことり」の主人公に似ていて少しキモイくて人畜無害な生活の中に一定のルールを堅持している。異なるのは、奥手ながら異性への関心がそれなりにあるところ。そこが江國さんの腕にかかると巧く料理されてると言うか、痛くて、でも育ちが良くて、誠実で実はどこもまともだ。書店でドーアのシェルコレクターを見つけた時、間宮の弟が読んでたやつだと、すぐ手にしたのは江國さんのせいでもあります。
2017/12/04
射手座の天使あきちゃん
「しろいるか」さんに勧められて なんかキモーイ!!と思いながらも、兄弟の行動になぜか頬がゆるんでる、そんな江國さんテイストのお話でした(笑)。 でも、この兄弟のような純粋な人たちには生き難い世の中なんでしょうね!? <(^_^;
2010/07/02
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