潜熱 (3) (ビッグコミックス)
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「潜熱 (3) (ビッグコミックス)」のおすすめレビュー
中年ヤクザと女子大生の危険な恋。誰からも祝福されない関係は、不幸へ続く道なのか?
『潜熱』(野田彩子/小学館)
恋は衝突事故のようなものだ、とたとえられることがある。予測不可能で、気がついたら事故のように相手に恋をしている。その感情はまさに制御不可能。それがいけない恋、不幸な未来しか見えていない恋だとしても、誰にも止めることなどできない。
最新作『ダブル』で、第23回文化庁メディア芸術祭「マンガ部門 優秀賞」を受賞したマンガ家・野田彩子さんの『潜熱』(小学館)は、そんな“誰にも止めることのできない恋”を描いた作品だ。
主人公はコンビニでアルバイトをしている大学生の瑠璃。彼女のバイト先には、毎日同じ銘柄のタバコを買いに来る中年男性がいた。彼の名は逆瀬川(のせがわ)。いつも不敵な笑みを浮かべ、時折、他の客に暴力を振るう。黒いスーツを身にまとい、ただならぬ雰囲気を放つ逆瀬川は、ヤクザだった。
ヤクザと接する機会がない者にとっては、彼らの存在は恐怖でしかないだろう。それは瑠璃も同様だ。ところが瑠璃は、ひょんなことから逆瀬川に接近することになる。
それはバイトが終わり、ゲリラ豪雨に立ち往生していたときのこと。コンビニの軒先で逆瀬川に声を…
2020/3/25
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潜熱 (3) (ビッグコミックス) / 感想・レビュー
yoshida
どうしても好きになってしまった相手が年上のヤクザ。自分の理性も、周囲の誰もが警告を鳴らす相手。それでも自分の気持ちを認めて生きる瑠璃の姿に、頑なさと儚さと危うさを感じる。この作品は作画が内容に合っている。儚さや危うさや暴力。巧みに表現されている。作品では人を好きになった気持ちをどこまで保てるかという問いがあろう。私の場合は理由を付けて気持ちを冷まそうとするだろう。普通の人もそうだろう。だが瑠璃はひたむきに気持ちを持ち続けた。その密やかな熱は二人を焼き尽くすかも知れない。それでも良いと思える。良作だった。
2019/12/07
はるみかん
ここにきて、新井煮干し子さんの別名義だと気づいて慌てた(笑)。同じ絵でも、男女だと一気に生々しくなっちゃうなぁ。周囲に反対されればされるほど、手放したくないと思うよね。
2018/10/14
ぐうぐう
「逆瀬川さんがヤクザだから好きになったわけでも、やめたらもっと好きになるわけでもない」そこが瑠璃の揺らぎようのない強さだ。それでも、逆瀬川がヤクザである事実は、常に瑠璃にはつきまとう。瑠璃と、逆瀬川の元妻との対峙は、この漫画の最大にして最高の見せ場であり、野田彩子の凄みに打ちのめされる場面だ。「あなたが後悔した20年が、私のものならよかったのに」盲目ゆえではない。幼さからでもない。疑いようのない熱が瑠璃を突き動かす。ラストシーンは、その熱が迸った結果としてあるのだ。
2018/10/12
はな
親や友人たちの方が狂って見えてくる。きっと2人からしたらこれが純愛なんだろうなって思ったました。
2018/10/31
M a i n *゚
おぉ、こう終わらせたのか…最後の瑠璃の笑顔が病んでてすごく好き。冷房つけるときに?ってなってたのは何でだろう…
2018/10/25
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