阿・吽 (9) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
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阿・吽 (9) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) / 感想・レビュー
るぴん
レンタル。平城帝と薬子がようやく退場し、朝廷は嵯峨帝の新たな時代へ。それにしても最澄は報われない…。彼に残された時間はあまりないように感じる。再び空海と会うことはできるのだろうか。のちに空海十大弟子の1人になったという高岳親王の末路が衝撃的…。
2019/06/01
星落秋風五丈原
前巻で一切目を開かなかった神野王子が初めて大きく目を見開く。平城天皇からあっけなく譲位された時だ。目は物言わぬ口より先に本心を語る。では、ここから彼がやりたい放題するのかと思いきや、平城京に移ってもあれこれと口を出す上皇と嵯峨天皇の対立が深まり、二所朝廷と言われる対立が起こる。やがてその対立は平城太上天皇の変(薬子の変)で頂点を迎え、坂上田村麻呂が、まるで赤子のような平城上皇を抱き上げる場面で幕を閉じる。平城上皇は本編では終始子供のような姿しか見せていないが政治・経済の立て直しを行った改革派でもある。
2019/02/12
りー
嵯峨天皇が空海の書に精神感応するシーン、本当にこんなことがあったのではなかろうかと思わせる凄まじい表現力で有無を言わさず引きずりこまれる。言語表現では絶対にできない体験をさせてくれる漫画の一つ。さて、逸勢と最澄の働きかけにより、空海が京に帰ってきました。息を潜めていた神野親王が嵯峨天皇として即位。田村麻呂がカッコ良い。引用されていた白楽天の詩、「蝸牛角上争何事 石火光中寄此身 随富随貧且歓楽 不開口笑是癡人」ここで使ってくるかー!と、痺れました。ああ、最澄が山をさ迷っている。切ない後半が始まってしまった。
2019/02/16
あーびん
今巻は炎の男、坂上田村麻呂のターン。熱いなぁ。あいかわらず最澄の悲壮感は半端ないし... 空海が最澄に宛てた「風信帖」はもう恋文にしかみえない。
2019/02/16
dolce vita
不運の最澄。国費で留学し厚遇されていたものが、古来の慣習や柵に邪魔をされる。出る杭ではないけれど、他の寺からすると驚異ではあったのだろう。その点、身分としては身軽な空海の方が動きやすかったのかもしれない。最澄が動こうとする度に妨げが起こるが、これが空海であったなら手段を尽くして動けるようにしてしまうのだろうとも思う。その違い。比叡のお山から見える景色は最澄の心を癒しただろうか。共に学べたならこれ以上ない友にもなれただろうに、縁は本当に不思議なもの。
2020/01/10
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