KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

こころのナース夜野さん (1) (BIG SPIRITS COMICS)

こころのナース夜野さん (1) (BIG SPIRITS COMICS)

こころのナース夜野さん (1) (BIG SPIRITS COMICS)

作家
水谷緑
出版社
小学館サービス
発売日
2020-01-10
ISBN
9784098604760
amazonで購入する Kindle版を購入する

「こころのナース夜野さん (1) (BIG SPIRITS COMICS)」のおすすめレビュー

精神科の医療者は患者に依存することがある? 医療者と患者の理解を深め、“メンクリ”の正しい知識が学べる漫画

『こころのナース夜野さん』(水谷緑/小学館)

 最近、SNSのトレンドワードでよく「メンクリ」を目にする。「メンクリ」とはメンタルクリニック、すなわち精神科病院を指すのだが、クリックすると精神疾患で悩んでいる人の投稿だけではなく、誤った知識でメンタルクリニックについて述べている内容もあった。

 私も精神疾患を患ったことがあり、今も睡眠障害などに悩まされていてメンタルクリニックに通っているため、素人の中では、比較的精神疾患に関する知識はあるのかもしれない。ただ、医療者や専門家ではないので、メンタルクリニックに通い、医師が学会などで得た知識を教えてくれたり、日本で認可されている薬の資料を広げたりしている姿を目にするうちに、根拠のない情報を信じることの恐ろしさについて考えるようになった。だからこそ、エビデンスの明記されていないSNSの投稿を見ると少し暗い気持ちになる。

 取材と調査を重ねたうえで、わかりやすく精神疾患について知りたい。そう思っている人におすすめしたいのが、2022年11月に最終巻となる6巻が発売された『こころのナース夜野さん』(水谷緑/小学館…

2023/9/14

全文を読む

心の病気は本来のその人に戻るための過程なのかもしれない――精神科ナースと患者の関わりを描いた漫画『こころのナース夜野さん』

『こころのナース夜野さん』(水谷緑/小学館)

 病気。その多くは自覚症状、あるいは検査や医師の診断を経て“目に見えるもの”として私達の前に現れる。そして私達はあらゆる薬や手術で原因を取り除こうとする。

 ただ、“心の病気”に関しては別だ。いくら心が痛くても、薬や手術だけで治すことはできない。誰にでも効く心の薬はないのだ。『こころのナース夜野さん』(水谷緑/小学館)は、そんな心の病気を抱える患者と、精神科ナースの関わりを描いた作品だ。

 OLから精神科のナースへ転職した主人公、夜野さんが働くすみれ精神科病院には、様々なバックグラウンドから心の病気にかかってしまった人が訪れる。

 電話越しに突然「虫が見える!」と訴える男性や、毎日リストカットをして傷跡を見せに病院へやってくる女子大生、自分を責めたてる声が毎日聞こえるサラリーマン。夜野さんにとって目の前で起こるすべては、経験したことがない初めての出来事ばかりだった。それゆえに、彼女はそんな患者さん達の言動に毎回うろたえてしまう。

 また作中では、患者の言動から「安定していない」と思い込んでしまい、先輩ナースに「…

2020/5/19

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

こころのナース夜野さん (1) (BIG SPIRITS COMICS) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ネギっ子gen

【リスカを繰り返す女性は語る:手首は切っても痛くない。熱い。切ると、ぬるい血がスーッと垂れてきて、生きてるって感じがする】 親の死の悲しみと仕事の多忙が重なった時に、「いつもの自分じゃやらないことをしちゃって」、自分が心の病じゃないかと思ったことが切っ掛けで、OLから転身し精神科病院の新米看護師として働くことになった夜野さんは、思う。<虫歯ができたら歯医者に行き、骨折したら整形外科に行くように、心の病気にかかった人のために精神がある。でも――「心の病気」ってなんだろう…。私は知りたい>と。⇒

2023/04/08

akihiko810/アカウント移行中

3巻まで。精神科病院の新米ナースの物語。 著者の作品は「精神科ナースになったわけ」は読んでいる。こちらはフィクション。自傷・自殺未遂・薬物依存やDV、孤独死など、精神問題を抱えた人たちとの交流を描く。軽い鬱などではお話にならないからなのか、なかなかヘビーな病状の方ばかり出てくる。重度患者専門の医療機関というのがあるのかどうかは知らないが、大変な仕事だよなーと思う。病気に至るまでの背景も十人十色で、興味深かった 

2021/10/23

ふじ

人の心の深いところの違和感を、決して否定せずに受け入れる。定時帰りだって血が流れなくたって、精神科ナースは人の命を預かる仕事。誰にだってできることじゃない。

2021/10/12

剛腕伝説

精神科のナースの話。医院にこれない患者には訪問看護をして話を聞く。リスカ常習の女性、腹を刺して自殺を図った男性、家中に虫が出てくる妄想を持つ男性、市原悦子の声が聞こえる男性等々。私自身、姪に付き添ってクリニックに行った事があるが、精神科医も千差万別。患者の症状さえ把握していない若いドクターや、治療に全く興味を示さずに、ただ処方箋を書くドクターなど様々だった。 それでもクリニックは大繁盛している。それだけ病んでいる人が多いのだろう。

2022/11/10

おーすが

精神科ナースが出会う苦しむ人たちのおはなし。広告で見て買うきっかけになった虫の幻視に悩むおじさんの話がやっぱり印象的だったかな。問題の解決法は人それぞれで、見えてるものはやっぱり見えていてそこにあるにだからな…と思ったりする。リスカ女子のはなしも根が深くて、ラストは希望がもてなくもないが単純な解決などないのだ、と思わされる。自分なりの工夫こそがだいじかもねとふわっと思わせてくれる良い本。描き方も優しいし、スタッフの人間性もそれぞれでリアリティがある。

2021/11/27

感想・レビューをもっと見る