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雪国 (新潮文庫)

雪国 (新潮文庫)

雪国 (新潮文庫)

作家
川端康成
出版社
新潮社
発売日
2006-05
ISBN
9784101001012
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あらすじ

親譲りの財産で、きままな生活を送る島村は、雪深い温泉町で芸者駒子と出会う。許婚者の療養費を作るため芸者になったという、駒子の一途な生き方に惹かれながらも、島村はゆきずりの愛以上のつながりを持とうとしない――。冷たいほどにすんだ島村の心の鏡に映される駒子の烈しい情熱を、哀しくも美しく描く。ノーベル賞作家の美質が、完全な開花を見せた不朽の名作。

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文豪が描く究極の「書かないエロ」――川端康成『雪国』

『雪国 (新潮文庫)』(川端康成/新潮社)

 親譲りの財産で生活を送る妻子持ちの文筆家・島村が、雪国の温泉旅館に通い、駒子という芸者との関係を深める様子を直接的に書かず(比喩や背景描写でそれを匂わせつつ)綴った物語。

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」——12月の初め、島村は雪国に向かう汽車の中で、病人の男に付き添う女性に興味を惹かれる。旅館に着いた島村は、芸者の駒子と落ち合って朝まで共に過ごす。

 島村は、5月に駒子と初めて過ごした夜を回想する。人手が足りていなかった芸者の代わりに島村の部屋にお酌に来たのが、見習いの19歳の駒子だった。「君とは友達でいたい」と島村は言ったが、結局酔った駒子と一夜を共にしたのだった。駒子はその後まもなく芸者になっていた。

 再会の翌日、島村は駒子の師匠の家に行った。汽車の中で見かけた病人は師匠の息子の行男で、腸結核で命が長くないため帰郷したそうだ。付き添っていた女性は葉子といい、駒子の知り合いだった。駒子は行男の許婚で、治療費のため芸者に出たのだと島村は伝え聞くが、駒子はそれを否定する。島村は滞在中、毎晩駒…

2018/10/22

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「この指がなまなましく覚えている」味わい深いエロ! 【文豪に学ぶ官能表現講座】

 文学と言われると、なにか崇高でお堅いものをイメージする方もいるかもしれないが、名作とされる文学にはかなり踏み込んだ性描写が実際多く存在する。ふだん我々が、単に「エロいなぁ」「興奮するなぁ」という言葉だけで済ませているようなシチュエーションや心理状態も、文豪の手にかかれば一層輝くのだ。「そんな言葉で例えるの!?」「こんなに細かく説明するの!?」「自分では言葉にできなかったけど、これを読んだら自分があの時どうして興奮していたのかが分かる気がする!」などと感じさせられる文豪たちの官能的な文章を5点ご紹介したい。

■湯上り姿は15~20分後が旬! ——谷崎潤一郎『痴人の愛』

『痴人の愛 (新潮文庫)』(谷崎潤一郎/新潮社)

 やはり文学に潜むエロと言えば、この人は欠かせない。谷崎潤一郎は性をテーマに描いた名作を多く生み出しているため学校で習うことは少ないが、そのクオリティは凄まじい。代表作『痴人の愛』は、真面目な男がいずれ自分の妻にするために15歳の少女を育てるが、次第に少女の魔性にとりつかれ下僕になっていく様子を描く物語だ。

一体女の「湯上り姿」と云うもの…

2018/6/17

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雪国 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

再読。この物語は話型からしても、典型的な異郷訪問譚である。「国境の長いトンネル」という境界の向こうは異世界なのだ。しかも、それは双方向性を持たず、島村の日常である東京の側からは行けるが、雪国の側の女たちは境界を反対側から超えて来ることはない。駒子も葉子も雪国に閉じ込められたままだ。そう、雪国はきわめて「閉じられた世界」でもある。ここに流れる時間は、駒子たちにとっては逃れられない日常だが、たまさかに訪れる島村にとっては非日常の時間である。最後の火事の場面で、この両世界は共に美しい幻想の中に飲みこまれて行く。

2014/02/20

kaizen@名古屋de朝活読書会

「国境の長いトンネルを抜けると」普通の小説という印象を持っていたのに,川端康成がノーベル文学賞を取ったのには驚きました。他の作家との違いが分かっていません。川端康成の作品では,伊豆の踊り子が南の華やいだ感じがする調子に対して雪国が北の落ち着いた雰囲気。トンネルと峠,それぞれ描写の鍵を握っているのは山だと思います。ps.川端康成の「美しい日本の私」というノーベル文学賞の受賞講演の本を読みました。美しさを追求していることが分かりました。踊り子の華やいだ感じと、雪国の落ち着いた感じの共通部分が「美しい」こと。

2013/05/05

しんば

火事。火事の衝動、葉子、駒子、島村、命の切れめ、何もかも打ち消す津波の様、三人の胸をかすめるもの、奥底。中盤、行方が分からない圧倒な情景。。。強く生きたい、と感じたオッサンしんば。

2019/03/02

優希

言わずと知れた名作。川端康成の最高傑作と言ってもいいでしょう。有名な出だしもさることながら、物語全体が美しい。雪深い温泉町で美しい芸者・駒子と出会った島村。駒子の一途な生き方に惹かれつつも行きずりの愛以上の関係を持とうとしない島村の冷たいふりが心に刺さりました。雪国という透明で冷えた世界が恋愛の象徴のように思えてなりません。静けさと寒さが貫く作品ですが、絵画を見ているような美の風景も感じられる、読むだけでなく、感覚として感じる読書ができました。

2016/02/15

さと

感無量。 その美しさに畏をれ抱き、手にすることも憚られた作品。難解さに言葉もないがそれが私の力量なのだと思い知る。 超越した描写に言葉を失ったのは一度や二度ではない。どれもこれも容赦のない美であり生々しい人間性だと感じた。島村が逗留する部屋の、彼が抜け出た布団にぽっかり空いているだろう穴、駒子を映す鏡や残り香....その全てを包み込む雪が私の中に降り続いて止まない。

2016/10/02

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