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名人 (新潮文庫)

名人 (新潮文庫)

名人 (新潮文庫)

作家
川端康成
出版社
新潮社
発売日
1962-09-07
ISBN
9784101001197
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ジャンル

名人 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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kaizen@名古屋de朝活読書会

囲碁部】川端康成の観戦記。原文も読んで見たい。1938年、本因坊秀哉名人と木谷實(作中は大竹7段)との対戦。黒21手目までは、字に辛く打っているのかと思いきや、その後の展開は。。。ちゃんと並べてみてから感想を書き直そう。

2014/10/29

Kajitt22

大戦の足音が聞こえてくる昭和13年後半、半年にわたって打ち継がれた本因坊秀哉名人の引退碁と、その一年後の死。ノンフィクションの様なこの小説はその死の十数年後に完成する。川端の文章は端正で、この囲碁の考え抜かれた一手の様に無駄がなく美しい。年老い、病を得た本因坊秀哉名人が対局に入ると勝負に集中していく描写が素晴らしく、目前で観戦しているかの様に感じた。

2020/08/11

榊原 香織

藤井君の王将戦@掛川、どうなるんでしょうね  あれは将棋、これは囲碁。 ほぼドキュメンタリー  命を削るような勝負、なんでしょうか 囲碁知らないから分からないとこも多い。 なんか鬼気迫るものは伝わってくる。

2022/01/09

Gotoran

実際にあった本因坊秀哉名人の引退碁試合に因んで描かれた小説。持ち時間40時間、打ち掛け14度、半年に及ぶ世紀の一局の観戦記。冒頭に名人の死を微細に描いた後で、時間を逆行して引退試合時まで戻し、死に至るまでの試合の状況を冷静かつ克明に物語る。物腰柔らかい反面、囲碁という勝負事に没頭する餓鬼道一筋の秀哉名人、これに対する大竹七段は現代碁の試合に生きる繊細で研究肌としてあがかれ、対照ををなす。死を賭けた無機質な勝負の世界が、人間世界の思惑に左右されながら、ひたすら第三者から硬質な文章で描かれている。

2018/11/17

Y2K☮

プロは結果が全て? 勝敗が全てならアマチュアと一緒? そんな白黒では分けられぬ。規則に則った正当な勝ちに拘る神経質な七段。名人を心配しているのも本心だし、大家族を養う為に勝ちたいが後で相手が病人だったからと云われたくないのも本音。一方碁の競技性よりも芸術性を重んずる名人。一見大らかだが没入し過ぎて周囲に無頓着。罪の意識ゼロで我儘を言い募る彼は妻と二人暮らし。取材時は名人寄りだったと思しき川端の筆は時間を置いた事でより冷徹に。拷問にも似た長過ぎる戦いの果てに黒の合理精神と一芸に殉じた白の美学は相容れたのか。

2016/01/24

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