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ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)

作家
村上春樹
出版社
新潮社
発売日
1997-09-30
ISBN
9784101001425
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ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

猫の失踪に始まり、そして職を失い、やがてはクミコまで失ってしまった。さらには、加納クレタも笠原メイもまたトオルのもとから去っていった。この巻の終わりには、プールでの幻視の中に新たな曙光が見える。最終巻では、トオルは喪失の地平から立ち上がり、さまざまな遍歴を経て、やがてそれは獲得と再生の物語へと展開して行くのだろうか。あるいは、流離の果てに世界の片隅で、トオル自身が「ねじまき鳥」になってゆくという、説経浄瑠璃の「本地もの」のような構造に収束してゆくのだろうか。全体の構造は依然として不明のままに最終巻へ。

2012/08/10

zero1

猫に続いて、妻までいなくなる。その妻も堕胎により大きな喪失感があった。井戸と壁抜け、メイの喪失。井戸から出た亨に変化が。新宿で人々の顔を見るのは「多崎つくる」につながる。叔父の言う復讐とは何か?不可解なことが多く起き、理由を読者は考察する。しかし手がかりが少ない。再読でも謎は多いまま。亨と同じように、この作品を読んでない人に説明するのは困難。最初にかかってきた電話の声が誰かは終盤に明かされる。「良いニュースは小さな声で語られる」というが、それは何を意味している?第3部へ続く。

2019/05/25

HIRO1970

⭐️⭐️⭐️第2部です。物語は更に混迷の度合いを深めていますが、支離滅裂でまるっきり掴み所を探しあぐねていた主人公が、かすかなきっかけらしき物を受容し始めぼやけていた輪郭が徐々に見え始めました。第3部が楽しみです。

2014/05/14

はっせー

少しずつ物語が大きく動き出す。そんな予兆を感じさせる!話自体はかなり分かりにくい部分も出てきているがそれでも面白い。特に意識の世界と現実の世界が混じりあっているところは他の作品であまり見たことがないでとても興味深いなーと思った。主人公にとって水がキーワードになっている。そのため水に関わる井戸やプールもなにかヒントとなっている。私の感覚としてはまるで空間や意識、価値観という水が入った海を泳いでいるように感じる。苦しくもなく優雅に泳いでいる。しかし意識してないとすぐに飲み込まれてしまう。そんな風に感じた!

2020/11/19

抹茶モナカ

ペンで傍線を引き、付箋を立てながら、久し振りの再読。読んでいると、気分が鬱になるけれど、読むのをやめられない。村上春樹さんは基本的に陰な作家だと思う。初読の時は、主人公が井戸に下りたり、唐突な印象しかなかったけれど、今読むと伏線もあって、行動も村上春樹的に感じた。第2部のラストは、よく書き込まれていて、第3部は必要としないようにも思えた。本作発表当時は、村上春樹さんの作風の変化にビックリしたし、作品の質からも読んで混乱して、落ち込んだのを覚えている。再読でも、深く落ち込みながら、読んだ。暗い本だが、凄い。

2018/10/05

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