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本当の翻訳の話をしよう 増補版 (新潮文庫)

本当の翻訳の話をしよう 増補版 (新潮文庫)

本当の翻訳の話をしよう 増補版 (新潮文庫)

作家
村上春樹
柴田元幸
出版社
新潮社
発売日
2021-06-24
ISBN
9784101001760
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ジャンル

本当の翻訳の話をしよう 増補版 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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buchipanda3

「いい小説にはいい小説の強みがあるし、あんまりよくない小説にも強みはある。こういう本もなくちゃいけないという重みがある」。文庫で再読。村上氏と柴田氏の対談が7本と結構な分量が増補されていた。他の既刊本からの再掲だが、どれも私は未読で中身も興味のある米文学ネタなので面白く読めた。小説は耳で書く、黙読しながらヴォイスが立ち上がるまで書き直すと語る村上氏が印象的。イギリスは描写で勝負、アメリカは声で勝負なのだとか。うむむ、文章から声がググっと迫ってくる感覚って確かにある。そういう本をもっと読みたい、感じたい。

2021/07/25

佐島楓

村上春樹の小説に翻訳という行為がいかに大きな影響を与えているかがよくわかる一冊。外国文学(特に英米文学)が彼の文体をつくり、強化してきたことが納得できる。カーヴァーやフィッツジェラルド、チャンドラーなどは私も春樹訳で読んだし、そうでなかったら読んでいたかどうか怪しい。柴田先生との対談で今後訳してみたい作家などについて言及なさっているのが嬉しいところ。これからも良質な文学を読者に届けてくださることを期待しています。

2021/07/04

田中

単行本に載っていなかった「トマス・ハーディ」の対話が興味深い。村上さんはハーディを読むと小説を書きたい気持ちになると語っている。風景描写に惹かれるようだ。ハーディの小説はまだ未読なので僕も読んでみたい。「切腹からメルトダウンまで」の村上さんの文章も良かった。特に小川洋子「物理の館物語」と川上未映子「愛の夢とか」についての村上さんの書評的な感想に注目した。小川洋子さんの文体について村上さんの視点が窺える。実力もあり人気のある女性作家二人のこの作品も読んでみたい。この「増補版」も盛沢山で楽しい一冊だった。

2021/07/28

シキモリ

村上氏はチャンドラー新訳版、柴田先生はオースター作品で毎度お世話になっております。本書には翻訳のノウハウといった件も収録されているが、メインはご両名が慣れ親しんできた海外文学を巡る対談。前述の両作家以外の作品に全く触れたことのない私だが、それでも充分に楽しめた。各章毎に一人の作家を取り上げる形式で、作家の特性を通じて英米文学の歩んだ歴史や作家と専業翻訳者による文章の捉え方や嗜好性の違いを知れるのは実に面白い。ご両名が揃って口にする『同じ文章を二度読ませたら翻訳者の負け』というフレーズがとても印象的だった。

2021/07/24

たらお

ギャツビーの冒頭部やマーロウの名文句「タフでなければ生きていけない、優しくなければ生きている資格がない」の部分を村上、柴田両人が訳しているページがあるんだけど、小説家で翻訳もする村上さんの訳は、自分の言い方に直していることから、こなれている。スッと流れが入ってくる感じはもはや才能。2人の対談は未読の本であっても退屈しないし、読んでみようかなと思わせるところは、基盤となる知識と経験による力だと思う。訳す上で「同じ文章を2度読ませない」っていうのを気をつけているとのこと。ここら辺の配慮が読みやすさのポイント。

2021/07/11

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