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文鳥・夢十夜 (新潮文庫)

文鳥・夢十夜 (新潮文庫)

文鳥・夢十夜 (新潮文庫)

作家
夏目漱石
出版社
新潮社
発売日
0000-00-00
ISBN
9784101010182
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文鳥・夢十夜 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

今回は「文鳥」のみの感想。漱石41歳の作品である。この頃、漱石は『虞美人草』の執筆をはじめており(作中で執筆中の小説はこれかと思われる)、いよいよ職業作家になろうとしていた。作中には「赤い鳥」の鈴木三重吉や小宮豊隆も登場し、漱石の周囲に一種の文学サークルのようなものができつつあったことをもうかがわせる。そうした経緯で飼育することになった文鳥だが、漱石の文鳥に対する観察の細やかさとともに、文鳥の世話を怠り、挙句に死なせてしまったばかりか、その責任を転嫁する自分自身を見つめる冷徹な目がそこにはあるようだ。

2017/01/10

Major

第十一夜:こんな夢を見た。雪の日だった。豊かな長い黒髪の女が突然亡くなった。釘打ちの鈍音が波紋のように幾重にも輪を描いて、鉛色の空へと響き染みていった。僕はようやく旅立てると思った。その日も小雪がちらついていた。雪はいつでも思い出を運ぶ。雪はその白さとともに、幾分かのロマンティック、センチメンタルやメランコリーをその身に纏いながら、物語にして地上に舞い降りてくるのだ。北へ北へと闇を駆け抜ける列車はその響きだけを残していく。故郷が、友が、そして青春時代が、進みゆく列車と共に離れ去っていく。。

2020/05/11

まさにい

夢十夜を久しぶりに読もうと思ったのだが、小品の『思い出す事など』の方が今回は印象に残った。漱石が修善寺で、生死の境を彷徨った時の漱石自身が思い出す事を綴った随筆ともいうべきもの。血を吐いた時のこと、その後のことなどが素直な気持ちで書かれている。また、この『思い出す事など』は、33の小文から、成り立っているのだが、それぞれの小文の最後に漢詩か短歌がうたわれている。これが、枯れていていい味を出している。夢十夜よりこっちの方が印象に残るのは僕が齢を重ねたせいなのかなぁ。ちょっと寂しい秋の読書になった。

2016/10/16

れみ

「こんな夢を見た」から始まる十の夢のお話。今月の「100分de名著」の第2回で取り上げられていたので、10年以上前に映画になったときに読んで以来の再読。ほぼ忘れてたからっていうのもあるけど…やっぱり不思議過ぎてモヤっとする。第一夜と第三夜と第七夜が好きかな。特に第三夜は怖いけどというか怖いからこそなのかとても心惹かれる。

2019/03/16

thayami

情緒漂う『文鳥』。文鳥の一挙手一投足に昔の女性を重ねるも、次第に距離感。齎す結末への三重吉の返事が本質を暗喩。死生観が滲む『夢十夜』、「思い出す事」、「変な音」。「第六夜」の”明治の木”の件、ドストエフスキーの件での”後戻り”、そして胡瓜vs.皮砥の音が、3作品それぞれで印象深い。一方、『永日小品』での「行列」が、可愛い子供たちとの何気ない日常描写で、氏の親としての一面に親近感。なお、どこか滑稽で人間味溢れる「手紙」が最もお気に入り。(笑)中村是公氏に、池辺三山。交友関係も垣間見れる作品多々。

2017/05/04

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