許されようとは思いません (新潮文庫)
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許されようとは思いません (新潮文庫) / 感想・レビュー
馨
短編集。どれもはらはらしながら結末が、気になってあっという間に読了。1作目の『目撃者はいなかった』なんて、仕事をしている身としては凄く気持ちがわかるけど、こんなことは絶対しないな、でもわかるな、と思うとやはり、誰にもばれずに仕事のミスをカバーすることは出来ないなと怖くなりました。『姉のように』が1番好きです。
2019/08/19
あきら
面白かった。 その先の曲がり角に何かがある。 それだけは分かるんだけど、見たくないような見たいような、みたいな感じ。 すべての話が秀逸な展開で、米澤穂信さんの満願を彷彿とさせた。
2021/12/02
nobby
もう誰にも分かりやすい“The イヤミス”短編集。5篇ともに、最初から嫌な予感を漂うまま迎えるラストには一捻りあって救いがない…必ずしも間違っていると思えない言動によって導かれる展開が生々しくゾッとさせられる。圧倒的なのは表題作「許されようとは思いません」その台詞の真意に至った時の重みは相当なもの…いよいよの結末とカバー裏オマケ「なれそめ」読んで何とか救われる。一番のオススメは「目撃者はいなかった」一つの誤魔化しが事態を悪化させた上での結末が衝撃的!「姉のように」でのミステリ展開は気付けず悔しくも上手い!
2020/06/28
NADIA
表題作含む5編の短編集。『目撃者はいなかった』は、仕事における小さなミスを隠そうとしてどツボにハマる物語。結構身につまされる部分もある。ミスはさっさと素直に認めて早めに処理することが肝心、ということを改めて認識させられる。『姉のように』も追い詰められる新米母である主人公の気持ちに無理のない共感を覚える。表題作も予想外のラストに驚いた。残りの作品も切れ味が鋭く、既読の長編よりもオチの意外性が鮮やかでとても面白かった。
2020/09/15
こーた
ウェルメイド。新人(と云って差支えないだろう)とはおもえない完成度の高さに唸らされる。私小説は探偵役のいないミステリ、などといわれることもあるが、この短篇集におさまる各篇も、人間の内面、それも弱さや嫉妬といった暗部にせまって読ませる。謎は解決をみても落着はしない。いや、むしろさらなる謎が立ち上がってくる(そういう意味では科学研究とも似ている)。人間という巨大な謎。闇。その怖ろしさはむしろホラーだ。つまりジャンルを特定できない。これは「芦沢央」という新しいジャンルなのかもしれない。次は長編を読んでみたい。
2020/11/17
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