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絶滅危惧職、講談師を生きる (新潮文庫)

絶滅危惧職、講談師を生きる (新潮文庫)

絶滅危惧職、講談師を生きる (新潮文庫)

作家
神田松之丞
杉江松恋
出版社
新潮社
発売日
2019-10-27
ISBN
9784101015910
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「絶滅危惧職、講談師を生きる (新潮文庫)」のおすすめレビュー

「今一番チケットが取れない講談師」神田松之丞のストイックな半生

『絶滅危惧職、講談師を生きる』(神田松之丞:著、杉江松恋:聞き手/新潮社)

 とりあえず読んで、面白いから。『絶滅危惧職、講談師を生きる』(神田松之丞:著、杉江松恋:聞き手/新潮社)は、そんな紹介がしたくなる本だ。著者は、「今もっともチケットが取れない講談師」として講談ファンのみならず、幅広い層から支持される神田松之丞さん。

 講談という伝統芸能に聞きなじみのない人も多いだろう。講談はよく落語と比較される。落語が会話によって成り立つ芸であることに対し、講談は張り扇で釈台をパンパン叩き、リズミカルに“お話を読む”話芸の妙によって成り立つ。講談師が生み出す独特の世界と雰囲気に、劇場で心底酔いしれてしまう人が続出しているのだ。

 今でこそ神田松之丞さんの登場で賑やかになってきた講談界だが、少し前までは果てしなく長い低迷に、先の見えない状況が続いていた。本書のタイトル「絶滅危惧職」はまさにその通りで、本書の記述によれば、東西合わせて講談師は100人に満たない状況だという。ブームに華やぐ落語界とは対照的である。

 だから松之丞さんは自身を「呼び屋」と表現して、テレ…

2020/1/2

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絶滅危惧職、講談師を生きる (新潮文庫) / 感想・レビュー

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TakaUP48

神田伯山こと元・松之丞の幼少期からの思いや生き方を、インタビュアー杉江氏の手によって、師匠・神田松鯉や親友、本人の言葉を通して描いてある。幼少時に亡くなった父の存在は、形はどうあれ影響したようだ。勉強しなかった学生時代、小生意気で出来の悪い新弟子時代、Fランク(入試最低ランク)の前座をやっていたが、師匠・松鯉の指導法や理解に助けられたことは大きかったと思う。連続物が講談の命だという師匠と「畦倉重四郎」19話を親子会でやって、師弟の絆も深まったようだ。これを機に、落語とは違う日本の話芸に触れてみようと思う。

2020/03/23

kawa

旅行中に立ち寄った北海道砂川・いわた書店で目にとまった一冊。奥さんが神田伯山(松之丞)さんのファンなのでお土産代わりに購入。それから間が空いて、伯山さん講談チケットがゲットできたので予習代わりに一読。ちょっと不器用でコマッタ君が講談界の明日のエースとしてブレークするまで、講談・演芸愛の独白を聞き書き。講談は歴史小説好きと相性良いのではないかな、講演も楽しみな読んで良かった一冊。ちなみにいわた書店内の展示の本の多くは、有名な「一万円選書」のリストに入っている由、本書もその一冊のようだ。

2022/09/02

Yuuki.

小さい頃から落語は聴いているが、講談は敷居が高そうとか退屈そうというイメージがあって、食わず嫌いだった。そのため、講談そのものについてもあまり知識が無かったため、これを読んで色々な事を知れた。一番驚いたのは名前の管理云々の話。また、神田伯山自身も、もともとは落語から演芸に興味を持ったこと、講談にも新作があることを知り、少し敷居が下がった。そこで、この本に書かれているように、寄席のネタをいくつか聴いてみた。残念ながら、実際に聴いても講談は性に合わなかったが、この本はとても面白かった。

2021/10/24

fseigojp

談春とか、この人とか、直球勝負が好きだな 談志は、まだまだ良さがわからない 業の肯定は、まったく同感なのだが

2021/05/10

nishiyan

2017年に刊行され、文庫化にあたり新たに第七章を加筆した神田松之丞さんの生い立ちから芸論に迫ったノンフィクション。今の神田松之丞を形作ったものを大いに語られ、そこを補強するように師匠の神田松鯉先生を始めとする関係者インタビューが散りばめられている。第七章はラジオでも語られた伯山襲名に至る経緯とラジオの裏側について。ラジオから神田松之丞さんの芸に触れたものとしては興味深い内容だった。しかしあの笑い屋氏はこんなにも買われていてかつ、いい加減とは(笑)。またこのような本が出る頃には大名人となっているのだろう。

2019/11/03

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