春待ち雑貨店 ぷらんたん (新潮文庫)
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春待ち雑貨店 ぷらんたん (新潮文庫) / 感想・レビュー
シナモン
今の季節にふさわしいタイトルと綺麗な表紙に惹かれて購入。京都の小さなハンドメイド雑貨店「ぷらんたん」を舞台にした物語。困難を抱えて生きる主人公巴瑠だけど、まっすぐに自分の気持ちに正直に生きる姿が印象的だった。ミステリーがかった後半は温かだった前半とガラッとイメージが変わって酷いな~と思わせる内容。こちらも読み応えがあった。人の心の温かさ、醜さ。落ち着いた文章で綴られる心の内面が胸に響く一冊でした。
2021/03/17
たるき( ´ ▽ ` )ノ
『ぷらんたん』とひらがな表記ってところがまず好き。かなり深刻な悩みを抱えている巴瑠だが、そこでくすぶるのではなく、人生を切り開いていく姿がとても良い。皆それぞれ様々な問題を抱えているが、負けそうになってもまた立ち上がる様子に力強さを感じ、勇気をもらった。久しぶりの読了本がこの本でよかった( ´ ▽ ` )
2021/03/09
陽子
京都の小さなハンドメイド雑貨店「ぷらんたん」。タイトルから連想した軽くて甘いイメージを、良い意味で裏切られた。このミステリーは人の心の深層部分に焦点を当てて、そこに潜む葛藤や本心をえぐり出すように、きめ細かく描きながら巧みに読者をグイグイと引きこんでいく連作。内容的にはやや恋愛寄り。愛することの本質とは、安易なものではないことを登場人物のやりとりを通して考えさせられた。人それぞれが感じる幸せの価値観も様々。「それでもあなたは、わたしを愛してくれますか」〜この作品のメッセージワードと感じた。読み応えあり。
2022/01/30
一華
タイトルと表紙絵とは裏腹に、意外とそれぞれのエピソードが重い…考えさせられました。根底に日本の現実社会においての女性たちの呪縛を、いま一度思い知らされたなぁ〜と…
2021/04/04
mayu
美しい装丁に惹かれた初読み作家さんの一冊。京都のハンドメイド雑貨店『ぷらんたん』を舞台にした連作短篇集。店主の巴瑠と恋人の一誠をメインに日常の謎を解決していく物語。お客さんや友人達は悩みを抱えてお店にやってくる。その悩みは予想外に結構重い。最後の謎には驚いたけれど、良い気分ではない。読みやすいし、どの話も前向きに終わるのだけれど、巴瑠と一誠の境遇が何度も描かれ、更に悩みはずしりとくる話ばかりで少ししんどく感じてしまった。
2021/07/12
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