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残りものには、過去がある (新潮文庫)

残りものには、過去がある (新潮文庫)

残りものには、過去がある (新潮文庫)

作家
中江有里
出版社
新潮社
発売日
2022-01-28
ISBN
9784101036410
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ジャンル

残りものには、過去がある (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ふじさん

初読みの作家。清掃会社の2代目社長・友之と、同じ会社で契約社員として働く早紀の18歳差のカップルの披露宴から話しは始まる。新婦の友人代表を初めとして、式に列席した新郎の友人、新婦の従姉、主役の二人にも人には言えない秘密を抱えていた。それぞれの登場人物の今に至るまで何を失い、今何を求めているのか、その秘密が読み進むうちに、分かってくるのが心地良かった。最後に、友之と早紀の結婚の真相を明らかにはなったが、二人の真の幸せを祈らずにはいられない。と同時に、登場人物の幸せを祈りたい。幸多かれと。

2022/06/28

じょんじょん

中江有里さんは読書家の女優さん(好きな女優さんのひとりです。でも最近見ないような気がします。)で、文章も書いているという程度の認識でしたが、これほど素敵な小説を書かれるとは思ってもみませんでした。清掃会社二代目社社長と年の差契約社員女性の結婚式に参加したレンタル友人の話から始まる6編の連作短編集。結婚式主役のふたりに関係する人のエピソードが描かれるなかで、残りもの感のある人々の過去をそれぞれが乗り越えるきっかけをつかんでいきます。思いがけず深いストーリーでした。ラストには幸福感を感じることができました。

2022/04/28

nemuro

9月(4年ぶり)の甲子園参戦!(惜しくも胴上げゲームの前々日及び前日の巨人戦)後に買った記憶はあるのだが。ブログ(アメブロ&ジュゲム)内を検索。10月、「コーチャンフォー旭川店」にて「読書家で、熱狂的な阪神ファンでもあるらしい中江有里。作家のイメージはあまりないのだが、とりあえず」などと思いつつの購入。清掃会社の2代目社長・友之と、同じ会社で契約社員として働く早紀を軸とした連作短編集で、その二人の披露宴会場が舞台。出席者それぞれの視点で語られる過去が終盤で絡み合う。様々な仕掛けに気付かされて面白かった。

2023/12/21

piro

清掃会社の2代目社長・友之と契約社員の早紀。18歳の年齢差、どこか訳ありっぽいカップルの結婚披露宴が舞台。今日初めて会った新婦の「友人代表」として祝辞を述べる、こちらも訳ありの栄子の章から始まる連作短編集は、ミステリー要素も程良く、少しずつ交錯する登場人物のエピソードに引き込まれます。其々の人生の1ページに暖かな日差しが差す様で、各章共心地良い読後感でした。確かに訳ありカップルですが、読み終えた時の印象はきっと変わっているはず。不思議な人間関係・邂逅を描きながらも、最後には心がホッと温かくなる作品でした。

2022/04/28

さくら★もち

47歳カバ似の清掃会社社長・友之と、その会社で働く29歳の美しい契約社員・早紀の結婚式を舞台とした連作短編集。玉の輿婚?な感じとレンタル友人、仏頂面の親戚、式に呼ばれない女など、訳あり感漂う人たちの登場でぐっと興味を引かれた。そして新郎新婦の生い立ちや過去の苦い経験、結婚に至るまでに積み重ねられたそれぞれの出会いと別れといった背景を知る毎に、友之と早紀の印象が変わり、最後には只々ふたりに祝福あれ!と願いたくなった。愛のかたちは人それぞれ。ふたり自身がいい関係だと思えることがいちばん大切だよね。

2022/04/14

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