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MISSING 失われているもの (新潮文庫 む 21-1)

MISSING 失われているもの (新潮文庫 む 21-1)

MISSING 失われているもの (新潮文庫 む 21-1)

作家
村上龍
出版社
新潮社
発売日
2022-09-28
ISBN
9784101042619
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MISSING 失われているもの (新潮文庫 む 21-1) / 感想・レビュー

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優希

不安定な空気感に、自分は何処へ行ってしまうのか不安になりました。過去を見つめていくことで聞こえる「母」の声。かつての自分を暗示しているのでしょうね。現在から過去へ。龍さんの原点はここにあるのかもしれません。

2022/10/23

いっち

村上龍さんの私小説的小説として読んだ。中学生のとき、作文(タイトル『初恋と美』)で市長賞をもらったこと。デビュー前、小説が書けないとき、「誰かを、何かを殺さなければ」と思っていたこと。原稿用紙の端に、小さな虫を見つけ、殺さずに、どう描写しようかと観察したところ、筆が乗って『限りなく透明に近いブルー』になったこと。人生最大の失敗が、作家として成功する前に付き合っていた女性と別れてしまったこと。タイトルの「失われているもの」とは一体何か。失われているものを取り戻すことはできない。記憶を思い返し、解釈していく。

2022/10/28

ゆきらぱ

カバーの装画に惹かれて購入。見ると、村上龍自身の装画でした 美しい品のある女性。 とても不思議な不思議な小説でした◇明らかに作者は鬱を患っているようだが、なぜ精神科医は何度もあなたは違いますとはっきり言うのだろう◇そもそもこんなにも鋭い精神科医(母親の診察にしても)はいるのか◇作者は父親を嫌っているというよりも畏れているのかもしれない◇声ー私自身も母が亡くなっても忘れず体の奥に残っている感じで再生される時があるので、声の不思議さも思った。

2022/10/15

501

老いたなぁ。エネルギーに満ちた文章は影を潜め、自分の内側をじっと見つめるような(今までの作品に比べ)静謐な作品。久しぶりの新作でわくわく感ががあったが、終始感じたのは老いたなぁ、という感想。そう思いつつ、年をとるというのは怖い、というのをひしひしと実感しつつある自分に重なる。

2022/10/11

kieth文

村上龍さん久しぶり。 五里霧中といった感じで過去なのか夢の中なのか、、、彷徨う。 抑うつに纏わりつかれるようになってからの潜在意識も含めた回想録、、、“母“が常に傍らにいた。"母"の追想は“わたし“を大切に包み込み、安らぎを与えていた。父親に対するキッパリとしたスタンスはその対極にある。 この物語はご自身の事であり、ここまで作家としての苦悩を赤裸々に描くのは勇気のいる事だと思う。最新作も読みたい。

2023/08/05

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