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金閣寺 (新潮文庫)

金閣寺 (新潮文庫)

金閣寺 (新潮文庫)

作家
三島由紀夫
出版社
新潮社
発売日
2003-05-01
ISBN
9784101050089
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「金閣寺 (新潮文庫)」のおすすめレビュー

【3分で読んだ気になる】三島由紀夫のおすすめ4作品。ステイホームをいかして名作に挑戦!

 作家、三島由紀夫。作品を読んだことがない方でも、その最期はご存じではないだろうか? 1970(昭和45)年11月25日、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地にて、バルコニーから自衛隊決起を促す演説をした直後に割腹自決した。享年45。

 今年は、三島の死から50年目の節目にあたる。未読の方も再読だという方も、続くステイホーム期間を利用して、彼の作品を読んでみるのはいかがだろうか? 死に方が強烈な作家だけに「変わった作家」という印象だけで、作品が過去の名作になってしまうのはあまりに惜しい。ここでは、主に未読の人向けに、初心者でもわかった気になれるような読書順で紹介してみたい。(ガチ三島ファンの方にはツッコミ所満載でしょうが、名作を振り返る気持ちで読み進めてください)

『潮騒』 1954(昭和29)年

 まずは、青春恋愛小説として何度も映画化されている『潮騒』はどうだろう。

 長(中)編小説というボリュームがあるので、文章を読むのに苦手意識のある人は、映画で観るのもあり。舞台は、伊勢湾の神島(作品内では歌島)。若く純粋な漁夫と海女の恋愛物語で、2人の純粋さと背景の美しさは…

2020/5/24

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金閣寺 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

再読。作者31歳の時の記念碑的作品。冒頭の1文から末尾の1文に至るまで、信じられないくらいに精緻に組み立てられた小説。失われた有為子と、厳然としてそこにある金閣。内界と外界。認識と行為。主人公の溝口は、こうした対立項のことごとくを、負の方向へ止揚していく。そして、この小説は、美の崩落性を言語によって構築するという矛盾を十全に承知しながら、あえてそのことに挑んでいるのだろう。

2012/06/02

長編。素晴らしいの一言でした。予想ですが三島由紀夫が作家として、ある意味一番頭の良かったというか脂ののっていた時期の作品なんじゃないかと思いました。美しい文章を一語一語忘れないように読みたかったので時間をかけて読みました。登場人物のせりふの中にところどころ出てくる哲学的思想は、三島本人の思いが沢山詰まっている気がしたし(特に柏木)、主人公の性格は全然違うんだけど三島由紀夫となんとなくかぶってしまいました。理解しきれなかった部分も結構あるので何回も読み返したくなる作品です。

2014/06/29

パトラッシュ

三島由紀夫は「美」をテーマにした作家であり、その美に魅せられた人間が狂気じみた行動に走り破滅する姿を繰り返し描いてきたとする評論家がいた。しかし最近、三島の描く美とは昭和天皇のメタファではないかと唱える人が出てきた。金閣は天皇で住職は「君側の奸」であり、日本の美の中心であったにもかかわらず敗戦後はアメリカに媚を売って存続した天皇への怒りと幻滅のシンボルとなる。つまり本書はローンウルフ型テロリストが天皇暗殺を果たすまでを描く恐るべき政治小説に読み替えられるわけだ。そう考えれば納得できる部分も多々あるのだが。

mura_海竜

ずっと温めていて読まなかった本。まさに狂人。劣等感、相手に劣等部分があれば、その人と同格で話すことができる。美について、「美は何か」を問う。永続する美の悪。先日60すぎの会社の人と飲んでて、私の生まれ年を言ったら、「大体、三島由紀夫の自決した年だ」と言われた。そして自決した時、三島さんは45歳で今の自分の歳に近しい。親近感のようなものを感じた。『金閣寺』新潮で連載が昭和31年。文庫化は昭和35年。金閣寺、再度ディテールまでまじまじと観賞したい。

2016/08/04

ehirano1

「究極の美が滅びゆく時」に対して「行為を起こすか、認識を変えるか」の二択の境界線上で揺り動かされる主人公が超絶妙に描かれていて圧巻でした。

2024/04/14

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