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鹿鳴館 (新潮文庫)

鹿鳴館 (新潮文庫)

鹿鳴館 (新潮文庫)

作家
三島由紀夫
出版社
新潮社
発売日
1984-12-24
ISBN
9784101050355
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三島由紀夫とは何者だったのか。絶対に外せない三島作品【5選】

 三島由紀夫に対して、かたい、難解、右翼思想…などといった印象を強く持ってしまい、なかなか手をつけられないでいる人も多いと聞く。確かにその文体はかたく、これでもかと煮詰められた思想が随所にちりばめられており、はじめのうちは読むのに苦労するかもしれない。

 筆者はそんな皆様に、「肩の力を抜いて読む」ことをおすすめしたい。そうすると、三島由紀夫という人間が身近な存在に、そしていつしか、心の拠り所のように感じられることだろう。しかしやはり、どれほど読み慣れたといっても、その文章が精緻な宝石の流れる川のように美しいことにはひたすら圧倒されるばかりである。

 本稿では三島由紀夫の名作の中から、読みやすいもの、外せないもの5作をご紹介したい。

■美しい言葉で紡ぐ、若い男女の恋愛物語――『潮騒』

『潮騒(新潮文庫)』(三島由紀夫/新潮社)

『潮騒』は、離島で漁師をする青年と、海女の少女の恋愛をロマンティックかつ繊細に描いた物語。若い2人のピュアな恋心、そしてそれを描写する三島の文章に魅了される読者が多い。

 また、かつて人気を博した朝の連続テレビ小説「あまちゃん」(NHK…

2019/2/3

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鹿鳴館 (新潮文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

表題作を含む4つの戯曲を収録。劇としてのスケールも、そして成功の度合いもやはり「鹿鳴館」が群を抜く。この劇は本質的に大いなる矛盾の上に構築されていた。すなわち、虚妄の豪華さがまさに劇の中核にあるのだ。そもそも鹿鳴館の存在自体がそうだし、そこに登場する人物たちもまた極めて不安定な存立基盤しか持ってはいない。晴れやかな天長節の日に血が流されることは、まさにそのことを象徴的に語るものだろう。それぞれの登場人物たちの密かに抱く愛はことごとく空転するし、後に残るのは無残であるがゆえに華やかで空虚な悲哀の感情である。

2013/01/17

遥かなる想い

「鹿鳴館」は、私にとって日本史の中にしか出てこない舞台だが、三島由紀夫にとっては、最もお似合いの舞台かもしれない。小説を抜きにしても、いったいどんな人たちが、何を考えて集っていたのか、庶民の自分には想像がつかない。

2010/06/12

ykmmr (^_^)

『鹿鳴館』。歴史の教科書にも必ず載っているが、その華やかさのみが知られている銀幕のような洋館。実はこの建築物に興味があった。『戯曲』式の本書。まさに、その鹿鳴館の人間の表裏を銀幕のごとく、表現している。『明』や『華』には必ず裏があり、ここが舞台であるからこそ、さらにそれが助長されている。プライドだけ高く、中身スカスカな男たちも、肝っ玉精神で彼らの尻を叩く貴婦人方も、鹿鳴館ならではなのかもしれない。やっぱり、建物を壊してしまったのはもったいなかったな。ニコライ堂や迎賓館は残っているのにね。

2021/10/09

Gotoran

三島戯曲作品4編(『鹿鳴館』「只ほど高いものはない」「夜の向日葵」「朝の躑躅」)を収録。表題作『鹿鳴館』について以下に:西欧化が進んだ日本を欧米に紹介するために使われた鹿鳴館という特殊な時代背景の下、そこで催された大夜会を舞台に、政治と恋が渦巻く中で繰り広げられる4人の男と女の悲劇的な運命(嫉妬、愛への渇望、権力への執着など)が描き出されている。他3作品も男と女の間の愛が織りなす美と悲劇が描かれている。三島の華麗な文章に感嘆。飽きるることなく読むことができた。

2021/09/05

優希

面白かったです。三島の戯曲集になります。どの物語にもどっぷりハマってしまいました。上部は華やかながら、裏ではドロドロした世界が広がっているのが作家性を感じずにはいられません。

2021/06/15

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