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絹と明察 (新潮文庫 み 3-37)

絹と明察 (新潮文庫 み 3-37)

絹と明察 (新潮文庫 み 3-37)

作家
三島由紀夫
出版社
新潮社
発売日
2021-03-24
ISBN
9784101050522
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絹と明察 (新潮文庫 み 3-37) / 感想・レビュー

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優希

会社、経営、家族について考えさせられます。駒沢自ら父親、従業員を子とする独特の経営哲学に岡野が興味を抱くのもわかりました。元芸者を送り込み駒沢と会社の動向を知ろうとしたのも政財界に通じるからでしょうね。対立する2人の激突と新たな時代が動いているのを見たようでした。

2021/07/17

けぴ

滋賀県彦根市を舞台にする、ワンマン社長vs労働者の企業小説。社長の駒沢は昭和の頃の中小企業に良くあるタイプ。社員を家族として愛する。しかし労働者からの反乱で、待遇を改善するように仕向けられる。岡野が駒沢のもとに送り込んだ芸者あがりの菊乃が、臨終間近の駒沢に尽くすシーンが良かった。

2021/08/07

ホシ

独善的で日本旧来の経営方式で財を成した駒沢。財政界にも繋がりを持つ岡野は駒沢に興味を持つ。元芸者の菊野を社員寮の寮母として間諜に送る。会社では労働争議が勃発。争議のリーダー·大月と駒沢が対立するが…。▽1950年代頃の話。岡野や大槻の登場によって日本旧来の経営は没落。新しい時代の到来を予見させ物語は終わりますが、それはまた'格差社会'といった言葉に表されるように新たな沼の深みへと我々が歩みを進める暁鐘でもありました。三島はこれを見抜いていたんですかね。

2021/06/27

Kepeta

まず個人的に駒沢タイプの人間が心底嫌いなので、まさかほのぼのエンドになったりしないよなと恐れながら読み進めましたが、いつも通りの三島クオリティにそんな事はあり得ないのでした(笑)。駒沢に限らず、いつもながら特異な人物の特異な思考回路を描くのが本当に上手い。日本独特のウェットだが実は一方的で本質的に利己的な情緒を描き尽くしており、それをよしとはしないがそこから完全に脱却するのも日本人には無理と予言しているかのよう。昨今の経済界の精神論復活的な論調を見ると、三島の本質把握力はやはり本物だと思わざるを得ません。

2022/04/24

よいおいこらしょ

社員を家族と称して愛する、強烈なパターナリズムが横行する昭和的な企業。その家族主義は従業員の外出ですら管理されており、手紙も検閲される。そうして社長は”従業員を守っている”。しかし、その思想は戦後で崩壊している。アメリカの自由資本主義が混淆し、「良い親子」から「良い小市民」たるべし、と個人の自由が認められるべき価値観に変化している。家父長制の衰退と自由資本主義への転換を、思想的に描いた作品。やはり三島は思想的であるほど面白い

2022/03/13

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