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私のなかの彼女 (新潮文庫)

私のなかの彼女 (新潮文庫)

私のなかの彼女 (新潮文庫)

作家
角田光代
出版社
新潮社
発売日
2016-04-28
ISBN
9784101058320
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ジャンル

私のなかの彼女 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

導入に少々戸惑ったものの、すぐに引き込まれた。コレはかなり、角田さんの私小説入ってるのでは。仙太郎とはうまくいくわけないってわかってたので、(別れを想定して)ドキドキ。時代は変わっても、女性ってやっぱりそういう立ち位置なんだよねぇと、モヤッたまま読了。でもそのモヤり方が角田さんらしくて、ついまた他の作品も読んでしまうことになるんだけど。

2016/10/29

いつでも母さん

『才能を潰せるのは、その才能を持っているその本人だけ』何かを手に入れる為には、持っている何かを手放さなければならないのかー『ぞっとするような孤独』あゝ、やっぱり苦手な角田さん。好きなはずの男の顔色を窺って暮らしていたはずが自分のやりたいことがはっきりして、その関係は壊れる。だが構わない。歪ませたのは誰?相手だけじゃ無い、自らも歪みを選んだのだ。そう今ならわかる。娘に醜女と呼ばれた祖母に自分を重ねたんだね。見た目ではなく、祖母の中に滾っていた思いは執念と言えるのではないだろうか。これが角田さんなのだろうな。

2017/12/19

さてさて

『祖母は醜女だった』というなんとも言えない冒頭からはじまるこの作品。和歌が解き明かしたその真実の姿は読者の中の『醜女』というイメージを違うものへと変えました。自分の人生を生きた祖母、そして自分の人生を歩み始めた和歌。そんな和歌が書く次の小説を是非読んでみたい、そう感じた作品でした。

2020/11/04

ひろ

ごく普通の女子大生・和歌は、非凡な才能をもつ仙太郎を崇拝する。知識と教養がありセンスもいい仙太郎が、なぜほかの女子学生ではなく自分なのか、いつかこっぴどくふられるのではないか、そんなことを考えては、不安になる和歌。そんな和歌が、亡き祖母が小説家を目指していたらしいと知ったところから少しずつ変わっていく。祖母のことを書きたいという気持ちから、小説家として生きる道へ踏み出す。その時、仙太郎は…。終盤での仙太郎の振る舞いには落胆させられ、その場限りの言葉を発する彼に空恐ろしさを感じた。

2018/01/26

エドワード

私は本を選ぶ時、文学賞云々にはほとんど関心がないが、作家(あるいは出版社?)には最重要事項なのかな。1985年に宇都宮から東京の大学へ入学した平凡な女子大生。才能あふれる同級生との出会いが運命を決める。次々と<文化>を吸収していく和歌、この時代感覚、わかるなあ。和歌に投げつけられる「生活を放棄している人に、人の営みが書けるとは思わない」はキツイが真実だろう。でも本当の和歌は生活を放棄していなかったね。香港で、カイロで、彼女が見つめるのは人々の日常の暮らし。封印された祖母の人生への思いも興味深かった。

2016/05/19

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