読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

天平の甍 (新潮文庫)

天平の甍 (新潮文庫)

天平の甍 (新潮文庫)

作家
井上靖
出版社
新潮社
発売日
1964-03-20
ISBN
9784101063119
amazonで購入する Kindle版を購入する

天平の甍 (新潮文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

遥かなる想い

古代日本では、唐に留学するのは超エリートだったのだろう。鑑真来朝における日本の雰囲気を今に伝えてくれる名作。

2010/08/13

藤月はな(灯れ松明の火)

遣唐使。それは海が荒れ狂い、風が味方しなければ、目的の地までたどり着けずに海の藻屑になってしまったりする危険な旅路でもあった。そんな中、国難を仏法で救うべく、派遣された若い僧たちがいた。最初はいけ好かない性格だった普照が歳を取り、仲間の悲願や志半ばでの死、経典の喪失を見届ける事でどんどん、人間としての滋味が出てくるのが魅力的。しかし、やっとの思いでたどり着いた日本は、仏法をそれ程までに欲してはいなかった。それでも普照が日本の僧と舌鋒を経り、唐での甍を受け取った際に至るまでの過程とその境地を思うと・・・。

2019/06/29

chantal(シャンタール)

本を閉じ、唐招提寺の金堂の静かな佇まいを思い出してみる。この寺院を創建した鑑真、そしてその招聘に尽力し、異国の土となった人の情熱を思うと胸が熱くなる。情熱意外の言葉が思い浮かばない。天平の時代、海を渡ることがどれだけ危険なことであったか。「日本に正しい授戒制度を」、その一念のみのために数度の失敗にも負けず、艱難辛苦の果てについに日本へ渡った鑑真には布教の裏に黒い野心を隠すような事もなく、純粋に仏教のために来日し、そのまま日本の土となった。唐招提寺の屋根、それは正に「天平の甍」、仏教の甍である。

2019/07/08

エドワード

苦難の末来日し唐招提寺を開く鑑真の物語。遣唐使船に乗り合わせた四人の僧侶。鑑真の招聘に尽くす普照と栄叡。還俗して唐人の妻と暮らす玄朗。唐の聖地を巡り、天竺をめざす戒融。先に渡唐し、夥しい量の写経を続ける業行。彼らは各々の意思で異国の地で必死に生きる。二十年後、普照ただ一人が鑑真とともに帰朝した。シルクロード大好き少年だった私は、この作品を中学生の時に最初に読んだ。高校二年の時に映画化され、観にいったのだが、高校の団体鑑賞があってもう一回観た。業行の写した経典が海に沈み漂う光景があわれだった。

2012/10/15

みやこ

命掛けで海を渡り、異国の文化や学問を学んだ遣唐使達。移動も誰かに会うのも写経をするのも今の時代とは費やす時間があまりにも違う。膨大な時間をかけ一つのことを探求し続ける彼らの姿勢に圧倒される。一方、志半ばで道を逸れる者にも事情があることがリアルに汲み取れる。唐に渡った普照が鑑真を伴って帰国するまでに費やした歳月は20年。当時鑑真は66歳。二度と故国には帰れないことを覚悟しての来日だっただろう。国は異なれど彼らの結びつきの深さが感慨深い。その熱意の根源は仏教への篤い思い。その業績は現代まで受け継がれている。→

2020/09/02

感想・レビューをもっと見る