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北の海(上) (新潮文庫)

北の海(上) (新潮文庫)

北の海(上) (新潮文庫)

作家
井上靖
出版社
新潮社
発売日
2003-08-31
ISBN
9784101063379
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北の海(上) (新潮文庫) / 感想・レビュー

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SJW

大学生で読んでからの再読。しろばんば、夏草冬濤に続く自叙伝。沼津中学を卒業したものの、高校受験に失敗した洪作が、沼津中学の柔道部の練習に参加するため、一人沼津で過ごす。突然現れた四高柔道部員の柔道に惹かれ、柔道部を見学するために金沢に訪れるまでの話。大学の時に笑いながら読んだ覚えがあるが、19歳という年齢を考えると幼稚で下らないことを平気ですることに違和感と笑いを覚えた。しかし、柔道にこれはほど打ち込めるというのは凄いことだと思う。昔はこのようなバンカラが普通だったのかな。

2018/10/04

のっち♬

高校受験に失敗した洪作は四高柔道部員の「練習量がすべてを決定する柔道」という言葉に魅了され、見学のために金沢へ出向く。卒業後も中学の制服を着ていたり周囲を心配させる程の呑気さ。文学グループは進学していくが、新たに落第生や化学教師など存在感のある人物が登場。『夏草冬濤』のような破天荒さはないが喧嘩や初恋の挿話もあって退屈しない。洪作の成長を見てきた読者なら湯ヶ島の土蔵でおぬい婆さんの声と対話する場面で、「何とも言えず温かいものが心の底からこみ上げてくるのを感ずる」のではないか。くめさんとの会話も重要な場面。

2020/12/27

遥かなる想い

井上靖青春三部作の三部。沼津における浪人時代の半年ほどを描いたもので、読んでいて痛快だが、気のせいか前作までの初々しさは影を潜め、その代わり柔道を軸に置いた若者の青春像に なっている。

chiru

『しろばんば』『夏草冬涛』につづく最終作。高校受験を失敗しても自由奔放な洪作と、そんな洪作をほっとけない友人たちとのエピソードが現代とあまり変らないようで楽しい。美少女に好意を寄せても硬派、柔道には勉強以上に情熱的な洪作のこれからが楽しみ。★5

2018/01/03

ソーダポップ

上巻読了。『北の海』は、作者自身である少年洪作が、中学を卒業して、沼津で浪人生活を送り、相変わらず勉強もせず、先輩として毎日母校だった柔道場へ通っているうち、金沢の高校の柔道部員の勧誘で金沢へ出掛け「練習量が全てを決定する柔道」が如何なるものか、つぶさに体感して来年は金沢の高校の柔道部へ入部しようと決心して、ひとまず父母のいる台北へ向かう半年ばかりのことが描かれています。懶惰とも放埒とも文学少年ともつかない自由な世界、むしろ青春の目標のない反抗のようなものが漾いが見事に表現されていました。

2021/11/21

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