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一千一秒物語 (新潮文庫)

一千一秒物語 (新潮文庫)

一千一秒物語 (新潮文庫)

作家
稲垣足穂
出版社
新潮社
発売日
1969-12-29
ISBN
9784101086019
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一千一秒物語 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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青蓮

何だかやたらに足穂を読みたくなって再読。繊細な美しさとナンセンスなユーモアに満ちた表題作の「一千一秒物語」が一番好きです。寝る前にちょっとずっと読むのに最適。足穂を読むと青く透き通った夜空に銀砂の星屑と硝子細工の三日月が浮かんでくるよう。「黄漠奇聞」や「チョコレット」「天体嗜好症」「星を売る店」もお気に入り。「弥勒や「彼等」は話の筋がどうこうと言うよりは、部分部分に解体した文章や語感を楽しむものとして読んでます。「美のはかなさ」「A感覚とV感覚」はちょっと理解が及ばないけど興味深い作品。また再読したい本。

2017/08/02

(C17H26O4)

表題作。これ紙芝居みたいにしてほしい。ユニークでちょびっとメルヘンな、大人のための紙芝居になるんじゃないかな。お月様やお星様との可笑しな喧嘩や騙し合い。結果、結構な確率で乱暴なお月様やお星様に突き飛ばされたり、放り投げられたりしている。お月様もお星様も意地悪で、空から降りてきいてたはずなのにいつの間か空で何食わぬ顔をしているのだから口惜しい。お終いにはわたしまで一緒にぽーんと投げ飛ばされた気分になって、呆気にとられて目をパチパチ。愉快だなあ。短いと数行、長くても2頁の小さなお話が沢山。

2021/01/17

優希

キラキラとまばゆい世界がつまっていました。著者の感性と趣味があふれていて、ファンタジックな終わり方や、オチを曖昧にしたものなど、様々な色味が独特の空気感を醸し出していると思います。ショートショートのような詩のような世界に味を感じました。著者は感受性が豊かなのだと思わされます。不思議だけれどあたたかみのある短編集でした。

2015/04/24

優希

再読です。独特の感性と趣味が眩しく輝いているように見えました。幻想的でファンタジックな世界、様々な色彩を放つ短編集。ショートショートのようでもあり、詩的でもある雰囲気が味わい深く、感受性の豊かさを伺わせます。不思議であたたかみのある物語に浸る時間が心地よかったです。

2018/04/29

かえで

9編を収録。小説だけでなく随筆もあり。表題作が圧巻。70の小さな話から成り立っていて、内容は『ポケットから自分を落っことす』とか『星を食べる』とか『お月さまと喧嘩をする』など、かなりシュールで幻想的。月が普通に自分の廻りで生活してたり。無機質な文体で、大正時代のものとは思えないほど現代的でビックリ。この表題作だけでも読んで欲しい。他の話だと妖精の話とか、三日月と戦った帝国の話が良かった。星を売っている店も幻想的で良かった。私小説的な話や哲学的な随筆は難解すぎ&文字数が多すぎで、サッパリ理解できなかった…

2017/03/31

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