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冬の旅 (新潮文庫)

冬の旅 (新潮文庫)

冬の旅 (新潮文庫)

作家
立原正秋
出版社
新潮社
発売日
1973-05-29
ISBN
9784101095028
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冬の旅 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

本書を読みながら、最後は涙が流れて止まらなかった記憶がある。物語は、ある意味で、理解しがたい強さを持った弟である少年と、いわゆるどうしようもないその義理の兄を軸に、進んでいく。美しく優しい母を凌辱しようとした 義兄を誤って刺して少年院に 送られる・・という始まりから物語の終わりまで、社会復帰を願う少年に対する暖かい著者のまなざしが暗くなりがちなストーリー展開にある種の救いを与えている。

2010/05/17

ねこまんま

初読みの作家さん。この人の文体、とても好きだわ。崇高な精神世界が素敵です。他の作品も読んでみたい。

2018/05/27

松本直哉

周囲の大人をたじろがせるほど老成した少年行助の理性的な性格と、その対極をなす異母兄修一郎の自堕落と無軌道の対照が不自然すぎるし、辱めを受けても言挙げしない女たちも古風すぎるし、つっこみどころはあるにしても、引き込まれて読んでしまうのは、湘南から鎌倉の美しい風景描写、亡父の残した詩に霊感を受けた行助の詩的な営み、そして行助と厚子の、言葉や肉体を介してではないひそやかな魂のふれ合いのためだった。少年院の少年たちの、貧窮と犯罪と家庭崩壊の無限ループのなかでもがきながらも、そこからの脱出を夢見る群像が印象的。

2019/11/06

みやこ

10代の頃に読んだ時は、完全に主人公・行助に傾倒し、彼に対する扱いを不当だと憤り、彼のたどった運命にやるせなさを感じて号泣しました。改めて読み返してみると、あまりにも凛とした精神は、時に他者を追い詰めるものなのかもしれないと、また違ったやるせなさを感じて胸が痛くなりました。彼は間違ったことはしていない。それなのに、何故?と、彼の運命のあまりの理不尽さにやりきれなくなるけれども、彼は自分の生き方を決して後悔はしていない。運命を受け入れた彼の在り方もまた、静謐にすぎるほどで、なおさら胸が痛みました。→

2014/07/21

まなみ

出張先の本屋で出会った一冊。読んでよかった。ずしっとくる感じ。行助ほど律することができるのはすごい。でももう少し力を抜いてもよかったのではと思ってしまう。一人一人が不運を抱えているようでなんとも切ない。ラストが苦しくなるけど、そんなラストだからこそこんなに印象深くなるのだと思う。

2018/04/25

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