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白い巨塔〈第2巻〉 (新潮文庫)

白い巨塔〈第2巻〉 (新潮文庫)

白い巨塔〈第2巻〉 (新潮文庫)

作家
山崎豊子
出版社
新潮社
発売日
2002-11-20
ISBN
9784101104348
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白い巨塔〈第2巻〉 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェルナーの日記

プラトンだったと思うが、医者という職業について述べた作品に”医術は学問か、否か”という問いかけがある。プラトン自身は”医術は技術であり、腕の良し悪しで優れた医者か、否かが決まる。よって医術は職人と同じで学問とはなりえない”という結論を出した。その観点からいえば財前は純粋に医者といえる。しかし、里見や大河内は医術は学問であり、常に高みを目指す精神は必要で、それと共に人間性の向上も求めるという姿勢を貫く。”医学は技術か、学問か?”この問い掛けは、財前と里見の生き方そのものに投影される。

2016/09/27

優希

教授選挙戦が描かれていきますが、皆の黒さに驚かされます。教授になるということがそれだけ大きな権威につながるのだと思わされました。何とか教授選に勝利した財前の性格が変わったように憎らしく見えたのは何故でしょうか。そこが見どころと言えるのかもしれませんね。剥き出しにされた財前の欲望や、国際学会出発の日に患者の容体が急変するなど、これからどうなるのか目が離せません。大変なことが起きそうな予感だけはします。

2016/10/13

抹茶モナカ

教授選挙では、それに関わる多くの人の思惑で、最終局面まで泥沼化。僅差で教授の座を射止めた財前は、横暴になり、診察も経験のみに則ったものに。財前が手術した患者が死にかけている中、財前は外遊に出る。里見助教授との対立の構図が、描かれ始めて、ワクワク。財前がイヤな奴になった。僕は、この小説の登場人物の中では、柳原医師に一番近いかな。

2013/12/02

のっち♬

「投票の機密、自由などはないわけじゃありませんか」—金vs権力という政界まがいな教授選の結果が出る瞬間は序盤の山場だろう。里見の助言も一蹴して患者より学会を優先する財前、対照的な二人が本格的に絡むここからがいよいよ本題と言える。欲に取り憑かれつつ病弱な母を思いやる財前の挿話も印象的。娯楽要素と社会派要素双方のバランスもさることながら、登場人物たちの価値観の相違や思惑の交錯、社会的責任の問いかけに医療現場に留まらない普遍性がある点も本作の大きな魅力。「残酷な、そして滑稽な人間喜劇」は更に広がり激しく渦巻く。

2018/09/30

miyumiyu

再読。権力欲にまみれた教授選が終わり、いよいよ傲慢で横柄になっていく財前。片や、検査に検査を重ねて正しい診断に導く誠実な里見。里見への思慕が抑えられない佐枝子。そして、傲慢さ故に取り返しのつかない誤診をしたまま外遊でドイツに旅立つ。再読でも目が離せない。さらにノンストップの3巻へ!

2016/01/18

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