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昭和の文人 (新潮文庫 え 4-4)

昭和の文人 (新潮文庫 え 4-4)

昭和の文人 (新潮文庫 え 4-4)

作家
江藤淳
出版社
新潮社
発売日
2000-06-01
ISBN
9784101108049
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昭和の文人 (新潮文庫 え 4-4) / 感想・レビュー

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フリウリ

中野重治論では、前半は「転向」、後半は戦後の「言語空間」という視点から、主に論じられています。ただ、江藤氏が発明した「言語空間」という概念だけでは、(すぐれた)作家の内面に踏み込むことは難しく、また「転向」に関して江藤氏は、中野が戦後「天皇を同胞と認め親しんでいた」と確信するものの、その論拠は小説の主人公の言葉に過ぎません。江藤氏は疑いなく、中野重治に好意を寄せています。しかし、その愛を示す方法が自己中心的で、ひねくれてみえます。そこに江藤氏独特のものがあると、いえるとは思いました。7

2023/06/17

うえ

奥付けを見ると平成十二年発行とあるから先生が自殺して少したってから購入したものだろう。「この連載を開始した昭和六十年一月には、勿論昭和はまだ続いていた。そして、この連載が、完結した本年五月には、昭和は既に完結していた(平成元年)」デビュー作が出版される事情から平野謙に序文を貰いにいく所から話は始まる。「東京ライフ社は…小出版社で…編集一人に営業一人、…「無名の人の本を出そうっていうんですからね。偉い先生の序文でもついていなけりゃ、第一取次が取ってくれませんや」…Nさんの担当は営業で、肩書は社長であった」

2017/10/16

euthanasia

「閉された言語空間」などの検閲論に最も顕著なように、江藤の評論は「テクストの改変」に対してほとんど偏執的にまで執着するのが特徴であり、本書に於てもその特徴が至る所に見られる。テクスト間の僅かな文章の異動や削除から作者が抑圧したものを引き出そうとする作業はほとんど精神分析家のそれに近く、テクストの根源的本質である「書き換えられる可能性」におそらく最初に着目した批評家であるという点で江藤淳の評論は今なおアクチュアリティを湛えているように思われる。

2013/01/07

かばこ

よくわかんないなぁ…というところがあっても我慢して読み進めていくうちに、じわじわと面白くなっていきます。堀辰雄作品に感じた違和感はこれだったのかと、膝を打ちました。

2009/12/10

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