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黒い福音 (新潮文庫)

黒い福音 (新潮文庫)

黒い福音 (新潮文庫)

作家
松本清張
出版社
新潮社
発売日
1970-12-29
ISBN
9784101109138
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黒い福音 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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NAO

昭和34年に実際に起こった国際線スチュワーデス殺人事件をもとにした作品。布教のためならその国の法律に反したことをしても構わないという、神父たちの傲岸さ。だが、そういった身勝手さゆえに、彼らは裏社会のプロにがんじがらめにされていく。神父の破滅は自業自得だが、勝手に阿片密輸のコマにされそうになり、拒否したため殺されてしまった女性が可哀想すぎる。神父たちの罪を糾弾することなく簡単に国外退去させてしまった政府高官たちのいい加減さからも、時代を感じる。

2019/11/27

hatayan

外国人神父とキリスト教団の関与が強く疑われながらもなぜか迷宮入りした1959年の日本人スチュワーデス殺人事件が題材。第一部は教団の内幕。麻薬を密輸させようとするも拒否した女性信者が黒幕の貿易商の指示を受けた恋仲の神父に口封じされるまで。第二部は捜査の内幕。事件の核心に迫りながらも政治的な判断で追及の手を緩めざるを得なかった刑事警察、過熱する取材合戦で事実に迫った新聞記者が登場。 無残な最期を迎えた被害者がとにかく不憫。戦後、外国の租界とさえいわれた当時の日本の立場の弱さを間接的に伝える内容となっています。

2020/10/24

金吾

実際なあった事件をモチーフした作品ですが、国際的地位というよりも自国より他国に忖度する日本の弱点が表れているように思えました。被害者が不憫です。神父なのに罪に面せず逃げるということは事実ならば宗教とは何だろうと考えてしまいます。

2021/12/31

坊ちゃん

宗教の傘の下、密輸のため外国の航空会社へスチュチュワーデスとして潜らせ、彼女達に麻薬等密輸させていた。被害者もスチュチュワーデスとして潜入させたが密輸を断ったのが原因で、口封じのために殺害されたと松本清張は観ている。当時の外国から見た日本は、敗戦国であり随分泣き寝入りした事件も多数有ったのでしょうね。

2018/05/13

koji

「ケトル」松本清張特集の「みうらじゅんが選ぶ20冊」未読10冊完読キャンペーン6冊目。未解決の著名な事件(映画、ドラマもあり)ですが、清張先生の推理が冴え渡り、占領から脱したばかりの日本の弱い立場への怒りがわき上がる労作です。欠点は、とにかく第1部が長いこと。連載小説だから仕方ないでしょうが。但し第2部は清張先生らしさ満載。ロクさんと佐野記者のコンビは秀逸。また裏で糸をひく巨悪の描き方はぞくぞくしました。ところで、本事件は実はサレジオ会が舞台とか。思わず「心にナイフをしのばせて」を思い出してしまいました。

2015/12/25

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