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友達・棒になった男 (新潮文庫)

友達・棒になった男 (新潮文庫)

友達・棒になった男 (新潮文庫)

作家
安部公房
出版社
新潮社
発売日
1987-08-28
ISBN
9784101121192
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友達・棒になった男 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

安部公房の代表的な3つの戯曲を収録。どの作品も凄い。荒唐無稽なプロットながら、私が生きている現実の世界の歪んだ構造に鮮やかに照射している。「友達」は一人暮らしの男性の家に、9人の家族が勝手に入り込んできて、彼の生活を無茶苦茶にする。こんなことは起こりないと思うのだが、この戯曲は現実の世界と地続きになっている恐ろしさがある。「棒になった男」はよく分からない所があった。それでも人間が棒になってしまう結末に異様な感動を呼ぶ。『榎本武揚』は歴史に基づいた劇。人間社会に対する榎本の冷めた感慨が印象に残る。

2017/08/21

優希

小説ではなく、戯曲ですが、独特の世界観は小説と変わらないように感じます。滑稽でありながら社会派であり不条理でもある雰囲気は形は違えど、健在でした。限られた言葉ながらも浮かぶ風景がリアル。どのような形であれど、安部公房という作家は安部公房でしかありえないのだと実感します。

2017/01/13

ヴェネツィア

3篇の戯曲を収録。巻頭の『友達』は、不条理劇ではあるものの、劇のどこにも深刻さが感じられない。それどころか、きわめて喜劇的なタッチであるとさえ言えるだろう。そして、それ故にこそ安倍公房に特有の不条理が醸し出されるという奇妙な味わいの劇。続く『棒になった男』は寓話劇と見ればわかりやすくはあるのだが、そうすると第1幕をどう位置付けるのかが難しいところ。それによって解釈が変わりそうだ。最後の『榎本武揚』は、一見したところは安倍公房らしからぬ普通の劇に見える。この作品は、特に戯曲よりも舞台で見る方が楽しめそうだ。

2013/01/03

GaGa

安部公房という作家は二次元を三次元化することに常に意欲を燃やし続けていた作家である。そのため、映画の名作「砂の女」や「他人の顔」なども自ら脚本を手掛けている。本作に収録されたのは戯曲作品で、なかでも「友達」は安部公房の最高傑作ともいわれている作品。一人の青年の家に家族が寄生するという異常な状態を三次元で描ききろうという意欲がうかがえる。今ではありふれたテーマのようだが、逆に今読んでも斬新な感がするのは、人の本質という深いテーマに作者が向かい合った結果であると思う。

2013/03/25

Y2K☮

著者の戯曲初読み。流れる様な言葉遊びが少ないのは小説家だからか。どれも主題は「孤独の価値と迷惑な善意」。三編の中では「榎本武揚」にらしいシュールなロジックが溢れていた。榎本の本心は分からぬが、北海道まで行って官軍と戦ったのだから降伏して出世してもいい。部下を見捨てた徳川慶喜より全然マシ。でも土方歳三と比べたら変節漢としか見られぬしフェアな評価もされない。ただ榎本の理想の実験台にされた人々からしたらいい迷惑。諸々の業や罵声、そして孤独に耐えてこそ、我々は周囲と同じ”棒”ではない唯一無二の”人”になれるのか。

2016/05/16

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