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遺訓 (新潮文庫)

遺訓 (新潮文庫)

遺訓 (新潮文庫)

作家
佐藤賢一
出版社
新潮社
発売日
2020-12-23
ISBN
9784101125350
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ジャンル

遺訓 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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優希

沖田総司の甥である芳次郎を軸にした動乱の時期を描いていました。西郷どんの警護を依頼され、やがて西南戦争へと導かれていくのが興味深かったです。青年剣士の成長ものは共感するものが多いですね。

2023/06/27

如水

『新徴組』の続本。話は前作から少し飛んで明治六年政変、つまり西郷が明治政府から完全に下野した所から、です。主人公も前作同様、新徴組の面々ですがほぼ沖田芳次郎が中心です。庄内藩と薩摩藩の繋がりや登場人物達がトモカク面白い‼︎情緒が有り、秘めたる熱き思いがビンビン伝わって来ます。そしてエンターテイメントとしての内容も充実(歴史小説なのに)!!時代小説に近い錯覚も覚えますが…時系列で考えれば史実です。で、今回の諸悪のドンは『大久保利通』此処迄醜い利通は見た事が無い💧『有司専制』とは何か?が良く分かる1冊です。

2022/01/12

まーみーよー

西郷隆盛の言葉や教えを集めた「南州翁遺訓」。編纂したのは戊辰戦争の敵方、庄内の人々。戊辰戦争の敗者、庄内と、西南戦争の敗者、薩摩から見た維新後の日本の物語。主人公は前作「新徴組」の登場人物沖田芳次郎(沖田総司の甥)。庄内藩は幕末最強の藩とも言われ、戊辰では負けなしだが会津が陥落し降伏した。その戦後処理にあたったのが西郷隆盛。寛大な扱いにより、敵であった西郷の人柄に魅了され庄内での薩摩観は好意的であり、維新後に交流も盛んだった。日本が敵味方に別れて戦う虚しさを伝える。大久保利通は悪人として描かれている。

2021/09/06

forest rise field

『南洲翁遺訓』これは薩摩の西郷隆盛の教えを纏めた書物。これを編纂したのが薩摩から遠く離れた山形庄内藩の士族だと知り興味があった。賊軍にも関わらず連戦連勝負け無しの庄内藩から見た明治初頭から西南の役後まで。登場人物も新選組沖田総司の甥の沖田芳次郎、戊辰で鬼玄蕃と恐れられた酒井玄蕃はじめ魅力的である。戊辰戦争で敵対した薩摩と庄内、どういった経緯で強い絆が結ばれたのか?勝者があれば敗者もあり、キリがない戦。これに警笛をならす西郷どん。歴史から学ぶということの尊さを知る。

2021/01/24

さっと

新選組の沖田総司の兄・林太郎と戊辰戦争で新政府軍から「鬼玄蕃」と恐れられた酒井玄蕃を描いた『新徴組』の姉妹編。語り手は林太郎の息子・沖田芳次郎に引き継がれ、西南戦争にいたるまでの、明治期の酒井玄蕃はじめとする元庄内藩の人々、西郷の寛大な戦後処置にはじまる薩摩と庄内の絆が描かれる。前半、玄蕃の海外出張まで追って冗長に感じる部分もあったが、これが後々効いてきて、意外な人物との邂逅などもあって最後まで飽きさせない。維新と言えば響きは良いが、戊辰戦争や西南戦争の内戦を忘れてはならない、という遺訓と受け取りたい。

2021/09/26

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