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木瓜の花 (新潮文庫 あ 5-16)

木瓜の花 (新潮文庫 あ 5-16)

木瓜の花 (新潮文庫 あ 5-16)

作家
有吉佐和子
出版社
新潮社
発売日
1971-05-01
ISBN
9784101132167
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木瓜の花 (新潮文庫 あ 5-16) / 感想・レビュー

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小梅

「芝桜」の続編として読んだが、相変わらず蔦代のペースに振り回される正子。しかし、この2人は良いも悪いも自分を貫き通してる。木瓜の花の奥深さ、蔦代が玄人はだしの盆栽家になってるのにビックリした。ラストで正子の過去の男たちが総出演で、情景が見えるようだった。素晴らしい作品でした。この2人を演じられる女優がいるかしら?思いつかないわ〜

2018/05/16

ヨーイチ

多分二、三冊もっている筈だ。読書メーター開始以前なので、初読は登録のみ。有吉佐和子を再考し始めて、印象としては一番面白かった、正子と䔍代の物語を読み返す。本版で池田彌三郎(懐かしい)が言及している「大衆小説に堕すギリギリで勝負しているって」のが良くわかった。つまり殆どドタバタ的な場面がひどく面白いかったりする。演劇に精通した作者の面目躍如だと思う。䔍代の母の葬儀の件なんて「何もそこまで!」って言いたくなるくらいのサービスぶりで芸術座の舞台ではさぞ盛り上がったことだろう。

2017/06/13

rinrinkimkim

芝桜からのいっき読み。蔦代がこちらでは食えないだけでなく憎めない女、強欲だけでなく老いてどこかションボリしてきて、お金は持って死ねないのねぇとそみじみ。ガンだと思わせて騒ぎにしたり、ハゲの手術後誠を追って八王子へとやはりさみしい気持ちがあふれてます。正子はブレずに生きてるが後半年を取ると短気になっていけないとか有吉さん、おかしいです。ラストに正子が銀座へ飲みに出かけ昔の男が総出演。有吉さんの本書の終わらせ方がとても悦に入ってて、やっぱりこの人の物語は最後に味があるんですよね~

2017/07/24

月夜

芝桜のその後の話とは知らなかったが 今回続けて読んだのは 幸運だった。 解説で 池田弥三郎 氏は言う 「おはなしは『芝桜』の後日談として展開していくのではない」 と。しかし そうだろうか。芸術院会員に選ばれた芳沢三延の楽屋に湧井と 招かれたとき 三延が 「昔命懸けで惚れた女がいて 待合に置いてあった湯呑を 大事に持っている」 という話をした。それに対して 正子は「二つ名前のお兄イさん・・」 と昔の呼び名で返す。作者の解説はなにもないが 女性として ここはゾクッとする。個人的にはむしろハイライトである。

2013/01/27

ごろちゃん

花柳界の艶やかさと、手を尽くした盆栽。対照的な美しさが印象的で、物語の中で外すことが出来ない鍵となってくる。盆栽を年寄りの道楽と思うには、華やか過ぎる。贅を極めた盆栽も、突き詰めると窮屈さを感じさせる不思議。盆栽に限らずどんな花でも同じ。手をかければ、こんもりと多くの花を付けさせることが出来る。剪定と手入れを繰り返す蔦代が作り出す花は美しい。人間を上手く扱えないからこそ、思い通りになる盆栽を愛してしまうのか。そして唯一、盆栽のように芽を摘み取られた男の置き所が上手い。

2013/01/10

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