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松風の門 (新潮文庫)

松風の門 (新潮文庫)

松風の門 (新潮文庫)

作家
山本周五郎
出版社
新潮社
発売日
1973-09-03
ISBN
9784101134239
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ジャンル

松風の門 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ももたろう

4年半ぶりの再読。この本は、私が人生で初めて本格的に読書に取り組もうと決意し、一番最初に手に取った思い出の作品。あの当時はこの短編の作品を一つ読むのに2時間以上かかったのをよく覚えている。今読んでみると、じっくり味わいながら読んでも30分ほどで読み通すようになっているから、多少は読解力がついたのかもしれないと思った。久しぶりに読んでみて改めて思ったけど、周五郎はやっぱり別格。本当に稀有な作家。心底から大好きだ。この作家をもっと多くの人に読んでもらいたい。できるだけレビューをたくさん書こう。

2016/10/30

きょちょ

短編13作。 「表題作」は、軍国主義時代に彼が数多く描いた「忠義・忠節もの」だが、私はこれらの作品群が好み。 「鼓くらべ」は彼が得意とする人間の成長の話。 「評釈堪忍記」はこっけいもので面白い。 「湯治」はの登場人物は他の作品でもでてきたが、家族愛が描かれている。 「ぼろと釵」は居酒屋を舞台にした話で、他にも似たような作品はあった。 「薊」と「醜聞」はどちらも夫婦ものだが、後者が好み。 「失恋第五番」は江戸時代でなくサスペンス要素のある現代もの。しかし、戦争後の日本人の1面を捉えている。 ★★★

2020/06/02

金吾

○それぞれの話の主人公が魅力的です。山本周五郎さんの話は理想的すぎるかもしれませんが、いい話が多く大好きな作家です。本作では「狐」と「評釈堪忍袋」が好きな作品です。

2020/10/29

タツ フカガワ

再読本。短編13話収録。冒頭の表題作でまた泣かされました。駄洒落のような登場人物の名前などユーモアも交えた「評釈堪忍記」は、短気で手も早い庄司千蔵が初めての城勤めを前に、伯父から何事も我慢と諭される。その忍耐の蓄積と堪忍袋の爆発ぶりが最高。「おたふく」「妹の縁談」と続いて本書収録の「湯治」が最終話。これは人情話の名作ですね。おしずは、ホント魅力的な女性だなあ。

2018/08/01

大泉宗一郎

山本周五郎のさり気ない描写やセリフは登場人物の心の機微をさっと捉えていて、その場にその人がいるような情感が、リアリティの迫力をもって伝わってくる。それはひとつ一つの短編に住む登場人物たちが、物語を動かすための単なるコマではなく、確固たる人生をもったひとりの人間として息づいているためだろう。自分は彼らに会うために、これからも山本周五郎を読み続けるし、たぶん死ぬまで読むのだろうなと思う。そんな小説家、人生においてそんなにはいないはず。

2019/07/02

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