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火の杯 (新潮文庫 や 2-49)

火の杯 (新潮文庫 や 2-49)

火の杯 (新潮文庫 や 2-49)

作家
山本周五郎
出版社
新潮社
発売日
1985-07-01
ISBN
9784101134505
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ジャンル

火の杯 (新潮文庫 や 2-49) / 感想・レビュー

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スノードロップ

「『火の杯』は、太平洋戦争末期から敗戦直後にかけて、財閥解体の渦中にほうり込まれた御池財閥直系の一員・康彦の物語である。」(木村久邇典の解説より)。時代物で知られる山本周五郎が現代(当時の)を舞台に筆を執った、エンターテインメント作品。やや強引さはあるが先へ先へと読ませる筋運びと、要所要所にチクリと入れる風刺が秀逸。前後編、二時間もののドラマになりそう、と思いながら読みました。

2021/02/12

めりこ

財閥解体の影響を受ける宮家の話。単純におもしろかったし、戦時中も何も影響を受けずに豪奢な暮らしを続け、戦後も裏で影響力を持ち続けた華族について、考えたことも無かったし、全然知らなかったから、興味深く読めた。今でこそ日頃は目に付くわけではないけど、たしかにこういう人たちが居たんだろうし、きっと今も一部の人は力を持っているんだろうなぁ。平民の知らない日本の裏側だわ。

2019/08/30

Kotaro Nagai

山本周五郎が書いた唯一の現代物長編小説。現代ものの連作はありますが、長編はこの「火の杯」だけ。周五郎の生涯のテーマといわれる、「人間の真価は何を為そうとしたかではなくて、何を為そうとしたかである」というロバート・ブラウニングの言葉がこの「火の杯」の中で語られている。また、山木周平なる登場人物として周五郎自身が小説に登場する。新聞小説の掲載から復元したため、一部判読できず伏せ字になっているのがやや残念であるが、現代物長編小説としての周五郎を知る上で貴重とも言える。

2006/11/03

桜もち 太郎

時代小説の印象が強かった山本周五郎だったが、この作品は現代小説であり読み始めて驚いた。これも作者の挑戦であったらしい。物語は戦中戦後にかけて日本最大の財閥の庶子である康彦が、財閥解体の渦に呑みこまれ、理不尽な仕打ちに遭う内容だ。戦時中の財閥のあくどさや、解体後の強かさは驚くものがある。モデルは三井財閥系のようだ。最後は物語のキーとなる女性夏子と康彦が、傷から立ち直り光明が差して終わる。今まで読んだ山本作品とは違いスリリングな展開が面白かった。

2014/12/29

りんご

周五郎さんの現代もの。文体は,いつもの周五郎さんですね。結末も周五郎さんらしいです。でも,続編がありそうな雰囲気でした

2020/11/23

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